障害年金の申立書をA4で印刷する方法|PDF・コンビニ印刷も解説

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この記事の結論

病歴・就労状況等申立書の原本はA3ですが、A4×2枚に分けて印刷したものでも実務上受け付けられます。年金事務所の窓口はA3を案内することが多いので、不安なら提出先に電話一本で確認してください。刷り方の手順は、この下にあります。

印刷の失敗はほぼ2つで防げます。「用紙サイズ」と「拡大・縮小(用紙に合わせる)がオフか」。最初の1枚は確認用として刷り、端の記入欄が切れていないかを見ます。

手書き・エクセル入力・アプリの3択で、手書きが審査で有利という根拠はありません。期間が4つ以上・転院が多い・未受診期間がある人は、区切り直しが起きるので入力が向いています。

提出前に全書類をコピーしてください。とくに診断書。控えは数年後の更新で「前回何を書いたか」を参照する唯一の資料になります。

次に読む障害年金の書類はどこに提出する?

まず手順。3つの刷り方

理屈はあとに回します。先に、A4で刷る手順です。どの方法でも、様式は日本年金機構の配布ページから最新版を使います(ページ名は「病歴・就労状況等申立書を提出するとき」。PDF版とエクセル版、続紙、記載要領が並んでいます)。

自宅のプリンターで(5分)

  1. 日本年金機構のページから「病歴・就労状況等申立書」のPDFを保存する。期間が多くなりそうなら「続紙」のPDFも
  2. PDFを開いて印刷。用紙サイズをA4にする
  3. 「用紙に合わせる」「ページに合わせて縮小」をオフにして、倍率100%にする。A3原稿を2枚に分ける機能(「ポスター印刷」「分割印刷」など、名前はメーカーで違う)があれば使う。なければ、PDF閲覧ソフトの印刷設定で「複数ページに分割」に当たる項目を探す
  4. まず1枚だけ刷って、端の記入欄と項目名が切れていないかを見る
  5. 大丈夫なら、必要枚数を刷る

コンビニで(A3の原寸で刷れる)

  1. スマートフォンかパソコンに申立書のPDFを保存する
  2. セブン‐イレブンなら「かんたんnetprint」、ファミリーマート・ローソンなら「ネットワークプリント」にPDFを登録し、予約番号(またはQRコード)を受け取る
  3. 店のマルチコピー機で番号を入れ、用紙サイズ(A3かA4)と倍率100%を指定して刷る
  4. 出てきた紙を、その場で見る

料金は白黒1枚10〜20円。A3でも同じです。登録の有効期限は、セブン‐イレブンの登録不要版が予約日を含めて2日、ネットワークプリントは会員登録で最長30日(確認日 2026-09-27。料金と期限は各社の案内が基準です)。

スマートフォンだけで

  1. 日本年金機構のページを開き、PDFを「ファイル」アプリやダウンロード先に保存する
  2. コンビニで刷るなら上の手順へ。自宅の無線対応プリンターなら、共有メニューかメーカーの印刷アプリから
  3. 印刷設定の画面で、用紙サイズと拡大・縮小の2つを確かめてから刷る

刷る前に見るのは2つだけ

  • 用紙サイズが、セットした紙と同じか(A4かA3か)
  • 「用紙に合わせる」がオフで、倍率が100%か

この2つがずれると、枠の寸法が原本と変わります。最初の1枚は確認用と決めておくと、無駄が出ません。

迷ったら、提出先の年金事務所に電話です。「A4に分けて印刷した申立書で提出できますか」で通じます。1分で刷り直しの心配が消えます。

アキさん(32歳・うつ病。この記事のための架空の例です)が年金事務所でもらった申立書は、広げるとA3サイズでした。新聞紙の半分。家のプリンタはA4までしか刷れません。

障害年金の申請では、この「紙の問題」で消耗する人が驚くほど多くいます。書き損じて最初から書き直した。ボールペンで清書する緊張感で1枚に丸一日かかった。数年分を手書きして、腕より先に心が折れた。当事者の一日は体力の配分ゲームで、その中でA3の枠に人生をボールペンで清書するのは、冷静に考えてかなり過酷な作業です。

しかも、この作業には「やり直しがきかない」というプレッシャーまで乗ります。不支給のあと同じ資料で出し直しても結果は変わらないので、実質的に一発勝負に近い。紙で消耗して内容が妥協されるのは、いちばん避けたい失敗の形です。

ここから先は、様式の入手から提出・保管までの紙まわりの実務と、「控えと記録が数年後に効いてくる理由」です。文章そのものの書き方は、病歴・就労状況等申立書の書き方にまとめています。

結論を先に:3つの選択肢と、選び方

① 用紙に手書き

年金事務所でもらうか、日本年金機構のサイトからPDFをダウンロードして印刷します。原本はA3ですが、A4で2枚に分けて印刷したものでも受け付けられるのが実務上の扱いです(不安なら提出先の年金事務所に一言確認すれば確実)。

② パソコンで入力

意外と知られていませんが、日本年金機構はエクセル版の様式も公開しています。入力して印刷すれば手書き不要、書き直しも自由です。枠に文章を収める調整は自力になります。

③ アプリで入力して印刷

質問に答える形で入力し、様式に合わせて印字したPDFを出力します(このアプリの機能なので後述します)。アプリを入れずにブラウザで書くなら、期間を区切って1つずつ書き進め、A4で印刷できる機能も用意しています。入力した内容はどこにも送られません。

→ 申立書を、自分で書きたい

選び方の目安はシンプルです。

  • 期間が3つ以下・経過が短い → 手書きでも消耗は少ない
  • 期間が4つ以上・転院が多い(→申立書の期間の区切り方) → 迷わず入力。区切り直しが必ず起きるため
  • 通院していない期間がある(→障害年金の申立書で未受診期間を書く方法) → 書き直しが起きやすいので入力が向いています
  • 文章を何度も推敲したい・家族に見てもらいたい → 入力
  • 手が震える・集中が続かない・眼精疲労がある → 入力

結論は「手書きにこだわる必要はない」ということです。審査で手書きが有利になるという話に根拠はありません。実際、審査する人は書類だけを読みます。読みやすい印字は、それだけで審査側の負担を減らします。専門家も、申立書相当の資料をパソコン入力で作って提出しています。プロが手書きにこだわっていないという事実は、判断材料として十分でしょう。

様式の入手 — 「最新版を、機構から」

どの選択肢でも、入手先は同じです。日本年金機構の「病歴・就労状況等申立書を提出するとき」のページに、本紙のPDF版とエクセル版、続紙のPDF版とエクセル版、記載要領が並んでいます。エクセル版は、表面と裏面でシートが分かれています。片方だけ入力して刷ってしまう人がいるので、両方のシートを開いてください。

注意点が2つ。

(1) 古いブログからの孫引きをしない

様式は改定されることがあります。個人サイトに置かれた数年前のPDFを使うと、現行様式と違う可能性があります。必ず機構のサイトから最新版を落としてください。

(2) 続紙も一緒に落としておく

本紙の枠は5期間分しかなく、経過が長い人はほぼ確実に足りません。「枠に収めるために期間をまとめる」のは設計ミスなので、最初から続紙をセットで用意しておきます。

体調的に窓口が難しければ、ダウンロードで完結して問題ありません。逆に、年金事務所に行く用事(納付要件の確認や請求の相談)があるなら、そのときに一式もらってくるのが確実です。

自宅のプリンターで印刷する方法

家のプリンタでA3原稿をA4に分割して刷る場合、手順はこうなります。

  1. 日本年金機構のサイトから、申立書のPDF(必要なら続紙も)をパソコンに保存する
  2. PDFを開き、印刷設定で用紙サイズをA4に指定する
  3. プリンタの「ポスター印刷」「分割印刷」機能を使い、A3原稿をA4×2枚に分割する(名称はメーカーによって異なります)。この機能がない場合は、PDF閲覧ソフトの印刷設定で「複数ページに分割」に当たる項目を探します
  4. 1枚だけ試し刷りして、切れている項目がないか目視で確認する
  5. 問題なければ、必要な枚数を印刷する

つまずきやすいのは、分割の境目に記入欄がかかるケースです。書きにくいだけでなく、読み取りにくい書類になってしまうので、試し刷りの段階で必ず確認してください。

エクセル版で作る人は、もう一つ。公式のエクセル様式は、そのまま印刷すると印刷範囲の設定の関係で文字が潰れたり、枠からはみ出したりすることがあります。刷る前に「PDFとして保存(エクスポート)」してから、そのPDFを印刷すると、画面で見たとおりに出ます。入力した文章が枠に収まっているかも、PDFにした時点で確かめられます。

A4×2枚をホチキスで留めるか迷ったら、留めずにクリップでまとめておくと無難です。窓口や審査でコピーを取る場面があるため、外せる形のほうが扱いやすくなります。

コンビニで印刷する方法

自宅にプリンタがない場合や、A3の原寸で刷りたい場合は、コンビニのマルチコピー機が使えます。

  1. 日本年金機構のサイトから申立書PDFをスマートフォンやパソコンに保存する
  2. 各社のネットプリントサービスにPDFを登録する(セブン‐イレブン「かんたんnetprint」、ファミリーマート・ローソン「ネットワークプリント」など)
  3. 店頭のマルチコピー機で予約番号を入力する
  4. 用紙サイズと倍率(原寸100%)を指定して印刷する
  5. 出てきた用紙を、その場で確認する

→ 横にスクロールできます

セブン‐イレブンファミリーマート・ローソン
使うものかんたんnetprint(登録不要)/netprint(会員登録)ネットワークプリント(会員登録・無料)
白黒1枚20円(A4・A3同額)10〜20円(A4・A3同額)
登録の有効期限予約日を含めて2日(登録不要版)。会員版は最長30日会員登録時に1〜30日で設定
店頭で予約番号かQRコードを読ませるQRコードでログインしてファイルを選ぶ

(確認日 2026-09-27。料金・期限は各社の最新の案内が基準です)

A3の原寸で刷りたい人は、コンビニのほうが確実です。家のA4分割で境目に欄がかかって困ったら、ここに切り替えてください。

外出がしんどい時期なら、無理にコンビニへ行く必要はありません。A4での印刷でも進められるので、家で刷れる形から始めるほうが現実的です。印刷を家族に頼むのも、まったく問題のない選択肢です。

スマートフォンから印刷する方法

パソコンを持っていない方も、スマートフォンだけで印刷できます。

  1. 日本年金機構のサイトを開き、申立書のPDFをスマートフォンに保存する(ファイルアプリやダウンロードフォルダに入ります)
  2. コンビニで刷る場合:ネットプリントのアプリにPDFを登録し、発行された予約番号を店頭のマルチコピー機に入力します
  3. 自宅のプリンタで刷る場合:プリンタが無線に対応していれば、メーカーの印刷アプリやスマートフォンの共有メニューから印刷できます
  4. どちらの場合も、印刷設定の画面で用紙サイズと拡大・縮小の設定を確認してから印刷します

スマートフォンの画面は小さく、印刷設定を見落としやすいところです。最初の1枚は必ず確認用として刷るつもりでいると、無駄が出ません。

用紙サイズと拡大・縮小設定

印刷の失敗のほとんどは、ここです。確認するのは2つだけです。

#### (1) 用紙サイズ

印刷設定の「用紙サイズ」が、実際にセットしている用紙(A4なのかA3なのか)と一致しているかを確認します。ここがずれていると、余白や枠の位置がすべてずれます。

#### (2) 拡大・縮小の設定

「用紙に合わせる」「ページに合わせて縮小」といった設定が有効になっていると、枠の大きさが原本と変わってしまいます。原寸で刷りたいときは、倍率100%(等倍)を指定してください。

分割して刷る場合は、この2つに加えて「分割後のページに、切れている項目がないか」を確認します。設定画面のプレビューでも分かりますが、紙に出してから確認するほうが確実です。

両面印刷と片面印刷のどちらがよい?

「必ず両面」「必ず片面」といった決まりを、この記事で断定することはできません。用紙の取り扱いは提出先の案内が基準になるため、迷う場合は提出先の年金事務所に確認するのがいちばん確実です。

そのうえで、判断の材料になる点を挙げておきます。

  • 片面印刷の利点:全体を並べて見比べやすく、コピーを取るときも扱いやすい
  • 両面印刷の利点:枚数が減り、書類がかさばらない
  • 公式の様式が両面で作られている場合:その形に合わせるのが自然です。ダウンロードした様式が何ページ構成なのかを、印刷前に確認しておきます

実務では、片面で刷って左上をクリップかホチキスで留めた申立書が広く受け付けられています。複数枚になるときは、様式の指示どおり、それぞれの紙に「No.1-2枚中」「No.2-2枚中」のように順番と枚数を書きます。続紙を使うときも同じです。

不安なら、提出先の年金事務所に電話一本で解決します。「A4に分けて印刷した申立書で提出できますか」「両面と片面のどちらがよいですか」で通じます。1分の電話で、刷り直しのリスクがなくなります。

印刷後に確認するポイント

刷り終わったら、書き始める前にひととおり確認します。ここで気づけば、まだ刷り直すだけで済みます。

  • □ 用紙サイズが正しい(指定したサイズで刷れているか)
  • □ 文章や記入欄が切れていない(特に端と、分割の境目)
  • □ 文字が読める濃さになっている(インク切れやかすれがないか)
  • □ ページの順番が正しい(続紙を使う場合は特に)
  • □ 空欄がない(空欄は「記入漏れ」と見なされます。日付が分からない欄は「○年○月頃」と書く)
  • □ 1つの期間が5年を超えていない(超える場合は3〜5年ごとに区切る。→期間の区切り方)
  • □ 「受診した/受診していない」の○が、期間ごとに付いている
  • □ 家族が代筆した場合は、代筆者の氏名・電話番号・続柄を書いた
  • □ 必要な署名や日付を確認した(様式の指示に沿っているか)
  • □ 提出前の控えを残した(全ページのコピーまたは撮影)

最後の項目がいちばん忘れられがちで、いちばん後から効いてきます。理由はこの後の章で詳しく書きます。

文字や記入欄が切れた場合の対処方法

印刷した紙の端で、項目名や記入欄が切れてしまうことがあります。落ち着いて、次の順番で試してください。

#### (1) 拡大・縮小の設定を見直す

「用紙に合わせる」が有効になっていないかを確認します。逆に、原寸だと収まらない場合は、縮小の指定で収まることがあります。

#### (2) 余白の設定を見直す

PDF閲覧ソフトやプリンタの設定に「余白なし」「フチなし」に当たる項目があれば、それで収まる場合があります。プリンタの構造上、端まで印刷できない機種もあります。

#### (3) 分割の位置を変える

分割印刷では、重なり(のりしろ)の幅を調整できることがあります。境目が記入欄にかからない位置を探します。

#### (4) 用紙サイズを変えて刷り直す

A4で収まらないなら、コンビニでA3の原寸で刷る方法に切り替えるのが確実です。

#### (5) それでも収まらない場合は、提出先へ相談する

印刷の都合で欄が切れた書類をそのまま提出してよいかは、自分で判断せず、提出先の年金事務所に確認してください。切れたまま記入して提出すると、書き直しを求められることがあります。

無理に手書きで枠を書き足すのは避けたほうが無難です。様式そのものを正しく印刷し直すほうが、結局は早く終わります。

調子の波に合わせて工程を割る

紙の問題は、実は体調管理の問題でもあります。

調子は一定ではないということです。よく眠れる朝もあれば、浮き沈みの底で最低限の生活をこなすだけの日もある。眠剤の時間ひとつで翌日が変わる。つまり、「申立書を書く」という数時間×数日の作業を、どの日に置くかで消耗がまるで違うのです。

そこで、工程を性質で分けておきます。

  • 頭を使わない工程(PDFのダウンロード、コンビニ印刷、コピー取り、封筒の準備)——調子が普通の日に
  • 思い出す工程(期間ごとのメモ書き。1〜2行でいい)——書ける日に少しずつ
  • 整える工程(4要素の文章化、清書または入力)——比較的良い日にまとめて
  • 確認する工程(診断書との突き合わせ、家族の通読)——焦らず、提出期限の数日前に

「今日は全部やるぞ」と決めて挫折するより、「今日は印刷だけ」で終える日を許すほうが、結果的に早く仕上がります。数日〜数週間かけて書くのは、根性が足りないからではなく、これが波のある症状との現実的な付き合い方だからです。

家族に頼める工程があるのも、この分け方の利点です。印刷・コピー・封筒の準備は、本人でなくてもできます。障害年金の相談や手続きは本人以外の第三者が行っても制度上まったく問題ありません。1人で全部やる必要はないのです。

書き損じ対策

それでも手書きで書く場合、実践的な知恵がいくつかあります。

  • 鉛筆で下書き→ボールペン清書→消しゴム。遠回りに見えて一番速い
  • コピーを複数枚取ってから書く。失敗しても紙がある、という安心感だけで手が動く
  • 下書きはスマホのメモでやる。文字数の感覚がつかめてから紙に向かう
  • 1日1期間まで、と決める。全期間を一気に清書しようとすると、後半の記述が雑になります。審査で重要なのは後半(現在に近い期間)なので、力尽きた状態で書くのは損です
  • 提出前に全ページのコピーを取って保管。これは受給者がほぼ全員勧めています

完成形:アキさんの「提出物チェックリスト」

紙の準備は申立書だけではありません。提出直前に慌てないよう、アキさん(障害基礎年金・事後重症請求)が母と一緒に使ったチェックリストをそのまま載せます。

  • □ 年金請求書(障害基礎年金/障害厚生年金の様式。年金事務所または市区町村でもらう)
  • □ 診断書(精神の障害用。提出前にコピー)
  • □ 受診状況等証明書(初診の病院と診断書を書く病院が違う場合。コピー)
  • □ 病歴・就労状況等申立書(+続紙。コピー)
  • □ 年金手帳または基礎年金番号通知書
  • □ マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
  • □ 戸籍謄本・住民票など(加算対象の配偶者・子がいる場合。有効期限に注意)
  • □ 預金通帳またはキャッシュカードの写し(振込先)
  • □ 病歴メモ・診察前メモの控え(提出はしないが、照会が来たとき用に手元保管)
  • □ 提出先と提出方法の確認(初診日の年金制度により、年金事務所か市区町村か)
  • □ 全書類をコピーした(いちばん忘れやすい。コピーしてから封をする)

必要書類は請求の類型や家族構成で変わるので、最終確認は年金事務所で行ってください。自分の場合に何が要るかは、何をそろえればいい?でも出せます。このリストの本当の価値は、最後の1行にあります。

いちばん忘れやすい落とし穴:診断書のコピー

提出物の中で、コピーを取り忘れやすいのが診断書です。理由は2つあります。

(1) 封をされて渡されることがある

病院によっては、診断書を封筒に入れて封をした状態で渡されます。「開けてはいけないのでは」と思ってそのまま提出してしまう人がいますが、障害年金の診断書は本人が内容を確認して提出するものです。

中身を見て、記載内容を確認するのは正当な手続きです。封をされている場合は、受け取り時に「内容を確認したいので」と伝えて開けてよいか聞くか、あらかじめ「封をせずに渡してください」とお願いしておくとスムーズです。

(2) 受け取ってすぐ提出したくなる

診断書は取得までに時間がかかるので、手にした瞬間に「早く出したい」気持ちになります。でもここで急ぐと、7項目のチェックが実態と合っているかの確認も、コピーも飛ばしてしまいます。受け取った日は提出しないと決めておくくらいでちょうどいいです。

診断書のコピーは、後で効いてきます。次の更新(障害状態確認届)のとき、「前回の診断書と比べて評価が軽くなっていないか」を確認できるのは、控えを持っている人だけだからです。

「控えを残せ」が数年単位で効く理由

控えを残すことは、その場では面倒でも、数年単位で効いてきます。

障害年金は、受給して終わりではありません。多くの場合は有期認定で、数年ごとに「障害状態確認届」(更新用の診断書)の提出があります。令和6年度の再認定は304,456件で、96.7%は等級が継続していますが、その3%強に入らないために効くのが「前回との整合」です。更新まわりの要点はこうです。

  • 更新の診断書は直近の状態で書かれる。直近数か月の実態が読み取れる資料を添えられると安心
  • 就労している場合は、欠勤・早退・配慮の実態まで伝えないと「働ける=改善」と誤解されやすい
  • 提出期限から逆算して診察予約を早めに取る。期限を過ぎると不利益が生じやすい
  • 認定を安定させるのは、服薬歴・通院間隔・悪化時のエピソードといった「変動が少ない証拠」の積み上げ

つまり更新とは、「前回提出した書類」と「直近の実態」の整合性を見られる場です。前回の申立書の控えがなければ、自分が何を書いたか思い出せないまま更新の診断書だけが提出されます。控えがあれば、前回の記述と矛盾しない形で直近の状態を医師に伝えられます。

控えは思い出の保管ではなく、未来の自分への引き継ぎ資料——そういう位置づけになります。

もうひとつ。審査の途中で年金機構から内容の照会が来ることがあります。そのときも、手元に控えがなければ、自分の書いた内容と食い違う回答をしてしまうリスクがあります。書類の整合性の話は、提出した後まで続いているのです。

そして最悪の場合——不支給や想定より低い等級だったとき。審査請求や再請求を考える段になって、自分が何をどう書いたか分からなければ、何を直せばいいかも分かりません。控えのない再挑戦は、暗闇で的を撃つようなものです。

控えの保管方法 — 紙・データ・プライバシー

控えを「取る」ところまではできても、「残す」ところで失敗する人がいます。実務的な保管の形を決めておきましょう。

  • 紙は1か所にまとめる。クリアファイルか薄いバインダー1冊に、請求書一式のコピー・診断書のコピー・申立書のコピー・年金証書(受給決定後)を時系列で。「障害年金」とだけ書いたファイルを1冊作る、が最小の運用です
  • データでも二重に持つ。紙は紛失・水濡れ・引っ越しで消えます。スマホで全ページを撮影(またはスキャン)して、クラウドか端末に保存を。更新は数年後なので、機種変更をまたぐ前提で置き場所を決めます
  • 家族と保管場所を共有する。体調が悪化して自分で手続きできない期間に、家族が書類を探せる状態にしておくのは現実的な備えです

そして、プライバシーの線引きも決めておいてください。職場で「障害年金」の話はしない。年金の話は誤解と噂を生みやすく、本人に返ってくるからです。

書類の扱いも同じで、職場に持ち込まない・机に置かない・共有プリンタで刷らないのは、シンプルですが大事な自衛です。家のプリンタかコンビニで刷る、という本記事の前提には、この意味もあります。

提出のしかたと、そのあと

紙が揃ったら提出です。最後に段取りだけ確認しておきます。

  • 提出先は、初診日にどの年金制度に加入していたかで変わります。障害基礎年金(初診日が国民年金)は市区町村の窓口または年金事務所、障害厚生年金(初診日が厚生年金)は年金事務所です。迷ったら年金事務所へ
  • 窓口か郵送か。窓口なら、その場で不足を指摘してもらえるのが利点です。体調的に難しければ郵送でも受け付けられますが、送る前にコピーを取ることと、簡易書留など記録が残る方法で送ることをおすすめします
  • 審査には数か月かかります(内容により前後します)。この間に照会が来ることがあるので、控えは手の届く場所に
  • 結果は通知で届きます。認定なら年金証書。ここに書かれた「次回診断書提出年月」が、次の更新の期限です。年金証書もコピーして、控えのファイルに追加してください

「渡す紙」はもう1枚ある

申立書と並んで、印刷が意味を持つ紙がもうひとつあります。主治医に渡す生活実態のメモです。こちらはA4で1枚。

これは「直近数か月の状態が読み取れる資料」を、診断書を書く主治医に対して用意する話でもあります。専門家がやっていることの本体も、まさにこれです——時間をかけた聞き取りをもとに資料を作り、医師に渡して的確な診断書を引き出す。

さらに、家族や支援者が書いた日常生活の具体的なメモも、書類の整合性の裏づけになります。

つまり申請準備で作る紙は実質2種類。審査に出す申立書と、先生に見せる生活メモ。どちらも元になるのは同じ「日々の記録」です。そして当事者の体力は有限です。同じ記録から2枚の紙が出てくる仕組みにしておくことは、単なる効率化ではなく、体力の温存という意味を持ちます。

アプリなら、記録→整形→印刷→控えまでひとつ

このアプリは、この「紙の壁」を最初からなくすために作りました。

  • 質問に答える形で期間ごとの文章を作る(手書き清書なし)
  • 様式に合わせて印字したPDFを出力。コンビニ印刷にもそのまま使える
  • 日々のメモから、先生に見せるA4の書類も印刷できる
  • 作った書類はそのまま端末に残る=控えが自動的に手元に残る
  • 記録は端末の中だけ。ログイン不要。基本機能は無料

書き損じで心が折れる工程を、そもそも通らずに済みます。そして数年後の更新のとき、「前回何を書いたか」が探さなくても手元にある状態になります。

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よくある質問(FAQ)

Q. A4で印刷した申立書は本当に受け付けてもらえますか?

A. A4で2枚に分けて印刷したものが受け付けられるのが実務上の扱いです。ただし最終判断は提出先なので、不安なら提出前に年金事務所へ電話一本で確認してください。「A4二分割で印刷した申立書で提出できますか」で通じます。

Q. パソコン入力(エクセル様式)だと審査で不利になりませんか?

A. なりません。手書きが有利という根拠はなく、審査は内容で行われます。むしろ読みやすい印字は審査側の負担を減らします。専門家も申立書相当の資料をパソコンで作成しています。エクセル様式は日本年金機構の公式サイトからダウンロードできます。

Q. コンビニ印刷で気をつけることは?

A. 「用紙サイズA3・倍率100%(原寸)」の指定だけです。「用紙に合わせて拡大縮小」がオンだと枠の寸法が変わるので必ずオフにしてください。

Q. 書き損じたら修正テープを使ってもいいですか?

A. 公的な提出書類なので、修正テープより書き直しか二重線訂正が無難です。そもそも手書きにこだわらず、エクセルやアプリで作れば書き損じの概念自体がなくなります。

Q. 枠が足りません。続紙はどう使いますか?

A. 続紙も日本年金機構からダウンロードできます。氏名を記入し、本紙からの期間の番号がつながるようにして添付します。枠に合わせて期間をまとめるより、正しく区切って続紙を使うほうが適切です(期間の区切り方)。

Q. 診断書が封をされた状態で渡されました。開けていいですか?

A. 障害年金の診断書は本人が内容を確認して提出するものなので、中身を確認して差し支えありません。病院によっては封をして渡す運用があるため、受け取り時に「内容を確認したい」と伝えるか、依頼時に封をせずに渡してほしいと頼んでおくとスムーズです。開封の可否に不安があれば、その病院の窓口に確認してください。

Q. 年金事務所ではA3の用紙を渡されました。A4で刷ったものと混ぜて出していいですか?

A. 構いません。本紙はもらったA3、続紙は自宅でA4、という組み合わせで受け付けられています。それぞれの紙に「No.1-3枚中」のように順番と枚数を書いて、順番どおりに重ねてください。不安なら提出先に一言確認を。

Q. エクセル版に入力して印刷したら、文字が潰れました。

A. 公式のエクセル様式は、そのまま印刷すると印刷範囲の設定で崩れることがあります。エクセルから「PDFとして保存」し、そのPDFを印刷してください。表面と裏面でシートが分かれているので、両方をPDFにします。

Q. 鉛筆や消せるボールペンで書いてもいいですか?

A. 提出書類なので、黒のボールペンが基本です。窓口の予約相談で提出する場合は、鉛筆書きを受け付けてもらえたという話もありますが、郵送では消えない筆記具が必要です。鉛筆で下書きしてボールペンで清書し、乾いてから消しゴム、が遠回りに見えて確実です。

Q. 控えのコピーは何を取ればいいですか?

A. 申立書の全ページ・診断書・受診状況等証明書・年金請求書が基本です。数年後の更新(障害状態確認届)で「前回何を書いたか」を参照できることが、記載の整合性を保つ土台になります。紙とデータの両方で残すと、機種変更や引っ越しでも失いません。

Q. 症状が重くて、印刷のために外出することすら難しいです。

A. 無理をしない前提で組み立ててください。A4なら自宅印刷で完結できますし、申立書の作成自体を数日〜数週間に分けるのが現実的です。印刷やコピーを家族に頼むのも立派な選択肢で、手続きを第三者が手伝うことは制度上まったく問題ありません。

まとめ

  • 手順は記事の冒頭。自宅ならA4に分割して2枚、コンビニならA3の原寸。白黒1枚10〜20円
  • 刷る前に見るのは「用紙サイズ」と「拡大・縮小の設定」の2つ。最初の1枚は確認用として刷る
  • 自宅・コンビニ・スマートフォンのどれでも印刷できる。外出が難しければ自宅印刷で完結できる
  • 両面か片面かは提出先の案内が基準。迷ったら年金事務所へ確認する
  • 手書き・エクセル入力・アプリの3択。手書きが審査で有利という根拠はない。期間が多い人は迷わず入力
  • 様式は必ず日本年金機構の最新版を。続紙もセットで用意する
  • エクセル版は表面と裏面でシートが分かれている。刷るときはPDFにしてから
  • 記入欄が切れたら、設定を見直す→用紙を変える→提出先に相談する、の順で
  • 提出前チェックリストの最後の1行は「全書類をコピーした」。特に診断書は忘れやすい
  • 控えは紙とデータで二重に。職場には持ち込まない
  • 控えは更新(障害状態確認届)で「前回との整合性」を保つ引き継ぎ資料になる——これが控えの本当の価値
  • 当事者の体力は有限。同じ記録から申立書と診察メモの2枚が出る形にして、体力を温存する

出典

  • 日本年金機構「病歴・就労状況等申立書を提出するとき」(PDF版・エクセル版・続紙・記載要領。エクセル版は表面と裏面でシートが分かれている旨の注記)・確認日 2026-09-27
  • 日本年金機構「病歴・就労状況等申立書の提出にあたって」(期間が5年を超える場合は3〜5年ごとに区切る、複数枚は「No.1-2枚中」、代筆者の氏名・電話番号・続柄)・確認日 2026-09-27
  • 日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」(再認定304,456件・継続96.7%)・確認日 2026-09-02
  • 各社のコンビニ印刷サービスの案内(かんたんnetprint・netprint・ネットワークプリント)・確認日 2026-09-27

様式の最新版と提出方法の正式な取り扱いは、日本年金機構のホームページおよび提出先の年金事務所でご確認ください。

参考リンク

制度の正式な情報・最新の様式は、日本年金機構のホームページおよび 年金事務所でご確認ください。

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