よくある誤解

「若いから、障害年金は無理」

若いから障害年金は無理? — 年齢の要件はなく、現役世代のための制度です

・ 確認日

結論

若いことは、障害年金の対象外になる理由ではありません。年齢の下限はなく、20代でも30代でも、初診日・納付要件・障害の状態の3つを満たせば請求できます。

障害年金は、老後の年金とは別のものです。現役世代が病気やけがで生活や仕事に支障が出たときに受け取る、現役世代のための制度です。日本年金機構の案内にも、そう書かれています。

20代で発症して、「年金は老後のもの」という思い込みのまま何年も経つ人がいます。制度を知ったのが働き始めてから、という人が多い。

なぜ「若いと無理」と思われているのか

「年金」という言葉が、老後の年金しか連想させないからです。同じ「年金」の名前で、まったく別の給付があることが知られていません。

もう1つは、若い人ほど保険料を納めた期間が短いので、「まだ資格がない」と思うことです。実際には、納付要件は「納めた年数」ではなく、初診日の前日時点での納付状況で判定されます。20歳前に初診日がある人は、納付要件そのものが問われません。

制度ではこうなっている

年齢の要件はない

障害年金の要件は、初診日の要件、保険料納付要件、障害の状態の要件の3つです。年齢に関する要件は、上限も下限もありません。あるのは、事後重症請求が65歳の誕生日の前々日までという期限だけで、若い人には関係ありません。

20歳前に初診日がある人

20歳になる前に初診日がある人は、保険料を納める義務がなかった時期なので、納付要件が問われません。20歳になった日(または初診日から1年6か月後のどちらか遅い日)が障害認定日になり、そこから請求できます。代わりに本人の所得による支給停止があります。

20歳以降に初診日がある人

初診日の前日時点で、納付要件を見ます。初診日の前々月までの被保険者期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間を合わせて3分の2以上あること。または、初診日の前々月までの直近1年間に未納がないこと(この特例には適用の期限があるので、年金事務所で確認してください)。学生納付特例や免除の手続きをしていた期間は、未納ではありません。

若い人がつまずくのは、20歳になってから学生納付特例の手続きをしていなかった、という場合です。手続きをしていれば、納めていなくても未納ではありません。

会社員なら障害厚生年金

就職して厚生年金に入っている間に初診日があれば、障害厚生年金です。加入期間が短くても、300月(25年)加入したものとみなして計算されるので、入社1年目でも一定の額になります。

数字で見ると

令和6年度に新しく決まった障害年金は146,225件でした。年齢別の内訳は統計に出ていませんが、精神の障害が70.3%を占め、精神の障害の発症は10代から30代に多いことが知られています。若い人が制度の中心にいることは、この割合から読めます。

事後重症請求では、年金は請求した月の翌月分から支払われます。20代で発症して、制度を知るまでの5年を放置すれば、その5年分は戻りません。

同じ状況の人が、どうなったか

社会保険審査会の裁決から、この誤解に関わる実例です。原文は厚生労働省の公開資料で確認しています。

妄想型統合失調症・20歳直後の納付(平成30〜令和元年、原文(厚労省PDF)) — 20歳になった直後に、被保険者期間2か月に対して12か月分を速やかに納付した経過などから、1か月分だけ未納があっても実質的に納付要件を満たすと評価され、不支給が取り消されました。若い人の納付要件は、納めた期間の短さではなく、初診日時点でどう扱われるかで決まります。

自閉スペクトラム症・厚生年金加入中の初診日(令和4〜5年、原文(厚労省PDF)) — 20歳前の初診による障害基礎年金として不支給とされた処分に対し、発達期から認定対象となる知的障害があったとは認めず、厚生年金の加入中に初診日があるとして、発達障害による3級該当が認められました。就職してからの受診が初診日になり、障害厚生年金の対象になった例です。

→ ほかの実例も読む

自分の場合を確かめる

  • 初診日に国民年金か厚生年金に入っていたかを確認してください。20歳前の初診なら、納付要件は問われません。
  • 納付要件は初診日の前日で判定します。学生納付特例や免除の手続きをしていた期間は、未納ではありません。
  • 事後重症請求は、請求した月の翌月分からの支払いです。若いうちの1年は、そのまま1年分の差になります。

窓口で聞く一言

年金事務所で「〇歳で初診ですが、納付要件を満たしていますか」と、納付記録を出してもらって確認してください。

よくある質問

Q. 学生です。保険料を払っていません。

A. 学生納付特例の手続きをしていれば、その期間は未納ではありません。手続きをしていない期間は未納です。20歳前に初診日があるなら、納付要件そのものが問われません。年金事務所で記録を確認してください。

Q. 入社してすぐに発症しました。加入期間が短すぎませんか。

A. 障害厚生年金は、加入期間が300月未満なら300月とみなして計算します。入社1か月目の初診日でも、25年加入したものとして額が出ます。加入年数より、初診日に加入していたかが決定的です。

Q. 受給が決まったら、一生もらえるのですか。

A. 状態によります。有期認定なら数年ごとに更新があり、状態が軽くなれば等級が下がるか止まります。重くなれば上がります。若い人ほど更新の回数は多くなりますが、令和6年度の再認定304,456件のうち96.7%は等級が継続しました。

次に読む

はじめての方へ学生のとき昔、保険料を払っていなかったから一生もらえない?

出典

  • 日本年金機構「障害年金」(現役世代の年金であることの説明、受給要件)・確認日 2026-09-03
  • 国民年金法第30条・第30条の4(20歳前傷病)、厚生年金保険法第47条・確認日 2026-09-03
  • 日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」・確認日 2026-09-02
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