障害年金が、ゼロからわかる

このページは、「障害年金」という言葉を今日はじめて知った方のためのページです。むずかしい言葉は使いません。読み終わるころには、自分が対象になりそうか、いくらぐらいか、最初に何をすればいいかが分かります。

障害年金ってなに? — 1分でわかる説明

病気やけがのせいで、生活や仕事がむずかしくなったときに、国から定期的に受け取れるお金です。

「年金」という名前ですが、高齢者だけのものではありません。20代でも30代でも受け取れます。

うつ病や発達障害など、心の病気も対象です。新しく受け取り始める人の70.3%が精神の障害です。

これまで保険料を納めてきた人(または20歳前に障害を負った人)のための、制度上の正当な権利です。申請は甘えではありません。

どのくらいの人が受け取っているか。令和6年度、新しく決まったのは 146,225件。同じ年に更新(再認定)の対象になったのは 304,456件。数十万人が受け取っている、めずらしくない制度です。

出典: 厚生労働省「障害年金の業務統計等(令和6年度)」・日本年金機構「障害年金ガイド」 ・ 確認日 2026-08-31

わたしはもらえる? — 確認することは3つだけ

この3つがそろっていると、受け取れる可能性があります。いま全部わからなくても大丈夫です。

確認 1

その症状で、最初に病院へ行った日がわかる

この日を「初診日(しょしんび)」と呼びます。障害年金のすべては、この日を起点に決まります。

  • 精神科でなくてもかまいません。眠れなくて行った内科でも初診日になります
  • 薬が出ていなくてもかまいません。「様子を見ましょう」で終わった受診も、検査だけの受診も、初診日になりえます
  • 病名がついた日ではありません。その症状ではじめて医師にかかった日です

思い出せなくても、あきらめないでください。何月何日まで特定できなくても、請求できる取り扱いがあります。

初診日がわからないときの調べ方
確認 2

年金の保険料を、ある程度納めていた

初診日の前日の時点で、保険料を一定期間納めていた(または免除の手続きをしていた)ことが条件です。

  • 「免除」や「猶予」の期間は、未納とは違います。ちゃんと数えられます。学生納付特例も同じです
  • 判定は初診日ごとです。昔に未納があっても、その後納めていれば、別の傷病では要件を満たせます
  • 20歳になる前の病気やけがなら、この条件はそもそも問われません
  • 会社員・公務員の配偶者に扶養されていた期間(第3号被保険者)は、自分で払っていなくても納付済期間です

記録は年金事務所で確認できます。思い込みで諦める前に、記録を見てください。

納付要件をくわしく
確認 3

生活や仕事に、はっきりした支障がある

家事ができない日がある、外出がむずかしい、仕事を続けられない・配慮を受けている——そうした「生活の実態」で審査されます。

  • 入院しているかどうかは条件ではありません
  • 働いていても対象になります。国のガイドラインに「労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えない」と明記されています
  • 貯金や持ち家は、審査されません。資産を調べるのは生活保護のほうです
審査で見られる「日常生活能力」の7項目

いくらぐらい受け取れるの?

金額は「等級」と「初診日にどの年金に入っていたか」で決まります。令和8年度の額です。

障害基礎年金

初診日に国民年金だった人、20歳前の人。定額です。

2級 年847,300(月あたり約70,600円)
1級 年1,059,125

偶数月に2か月分がまとめて振り込まれます。18歳の年度末までの子がいれば、子の加算(1・2人目 各243,800円/3人目以降 各81,300円)がつきます。

障害厚生年金

初診日に厚生年金だった人。上の障害基礎年金に、働いていた期間の給料に応じた額が上乗せされます。

加入期間が短くても300月(25年)分として計算されるので、若いうちに発症した人でも一定の額になります。

3級は障害厚生年金だけの等級で、最低保障 年635,500円があります。

上乗せの可能性

年金生活者支援給付金。所得が一定以下なら、1級で月7,025円、2級で月5,620円が上乗せされます。

障害年金を請求するときに同時に請求するのが原則で、出し忘れの多い書類です。

いくらもらえる? をくわしく →

金額は毎年4月に改定されます。出典: 日本年金機構「障害年金ガイド」「年金生活者支援給付金」 ・ 確認日 2026-08-31

どのくらい時間がかかるか

心の準備のために、先に知っておいてください。

  • 初診日を確認して、書類をそろえる — 人によって大きく違います。数週間から数か月
  • 診断書を依頼してから受け取るまで — すぐには出ません。1か月近くかかることもあると語られています
  • 提出してから結果が届くまで — 機構が公表している標準的な処理期間があります。申請から結果までの期間

急ぐ理由がひとつだけあります。事後重症という請求のしかたは、請求した月の翌月分からなので、1か月遅れれば1か月分が消えます。ただし、体調を崩してまで急ぐ制度ではありません。動ける日に、少しずつで大丈夫です。

最初の一歩は、ひとつだけ

「その症状で、いちばん最初に病院へ行ったのはいつだったか」を思い出してみてください。手がかりになるもの:

  • お薬手帳、診察券、領収書
  • 健康保険を使った記録
  • 当時の手帳、日記、家計簿
  • 退職した時期、引っ越した時期、子どもの入学(生活の節目から挟むと、期間が絞れます)
初診日の思い出し方ガイドへ →

思い出せた範囲でメモしておくだけで、次に進めます。

これだけ知っていれば読めます — 4つの言葉

サイト内でこの言葉が出てきたら、いつでもここに戻れます。

用語をもっと見る

初診日

その症状で最初に病院へ行った日。すべての起点。

診断書

医師に書いてもらう、審査でいちばん重視される書類。

申立書

自分(や家族)が生活の実態を書く書類。正式名は「病歴・就労状況等申立書」。

等級

障害の重さの区分(1〜3級)。金額が変わる。手帳の等級とは別もの。

最後に、よくある不安へ

よくある誤解をもっと見る

「申請するのは甘えでは…」

障害年金は、保険料を納めてきた人のための制度上の正当な権利です。新しく決まった障害年金の70.3%が精神の障害によるもので、制度の中でもっとも標準的なケースです。この迷い自体が、症状の一部であることもあります。

「周りに知られたくない…」

受給が戸籍・住民票・運転免許に載ることはありません。請求は年金事務所か市区町村に出す手続きで、勤務先を経由しません。受給が始まっても、機構から会社へ通知は行きません。

「手帳を持っていないけど…」

手帳と障害年金は別々の制度です。手帳がなくても請求できますし、等級も連動しません。手帳3級で年金2級の人もいます。

「働いているから無理では…」

働いていること自体は、対象外の理由になりません。見られるのは、どんな支えの中で働けているかです。就労継続支援A型・B型や障害者雇用で働いている場合、ガイドラインは1級または2級の可能性を検討するとしています。

「昔、保険料を払っていなかった…」

判定は初診日ごとです。免除や猶予の手続きをした期間は未納ではありません。まず年金事務所で記録を見てください。

「もう何年も前のことだから…」

申請そのものに時効はありません。初診日が30年前でも請求できます。時効があるのは、さかのぼって受け取れる分(直近5年)のほうです。

出典: 日本年金機構「障害年金ガイド」/厚生労働省「障害年金の業務統計等(令和6年度)」/厚生労働省「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」/国民年金法・厚生年金保険法 ・ 確認日 2026-08-31