障害年金のよくある誤解

よく信じられている誤解を48枚に分けました。1枚ずつ「本当は」まで読めます。

全48枚

48
制度の入口

「障害者手帳がないと、障害年金はもらえない」

本当は手帳と年金は別の制度で、手帳がなくても年金は請求できます。等級も別々に決まり、手帳3級で年金2級の人もいます。

制度の入口

「働いていたら、障害年金は無理」

本当は働いていること自体は対象外の理由になりません。国のガイドラインは「労働に従事していることをもって直ちに日常生活能力が向上したものと捉えない」としています。

制度の入口

「一人暮らしができているなら、自立していると見られる」

本当は一人暮らしそのものは等級を下げる理由になりません。ガイドラインは、独居の場合はその理由や時期を考慮し、家族や福祉サービスの支援で生活できている場合はその状況を踏まえて判断する、としています。

制度の入口

「適応障害・パニック障害は対象外だから、申請できない」

本当は認定基準は神経症を「原則対象外」としつつ、同じ段落で「精神病の病態を示しているものは気分障害に準じて扱う」としています。門は病名ではなく、いまの病態で開閉します。

お金

「障害年金は非課税だから、収入ゼロとして扱われる」

本当は税金はかかりませんが、健康保険の扶養認定では収入に数えます。障害年金を受けられる程度の障害がある人は年収180万円未満が扶養の基準です。

制度の入口

「貯金や持ち家があると、障害年金はもらえない」

本当は障害年金は保険の給付なので、貯金・資産・持ち家は要件に含まれず、審査もされません。

制度の入口

「親に収入があるから、20歳前の障害年金はもらえない」

本当は20歳前傷病の所得制限で見られるのは、本人の前年所得だけです。親や配偶者の収入は関係ありません。

手続き

「初診日は、病名がついた日」

本当は初診日は、その症状で初めて医師の診療を受けた日です。診断名が確定した日ではありません。眠れなくて内科に行った日が初診になることもあります。

手続き

「カルテが残っていないなら、もう申請できない」

本当はカルテがないケースは制度側も想定済みで、「受診状況等証明書が添付できない申立書」という公式の様式と、お薬手帳・診察券・第三者証明などによる認定の道があります。

受給後

「更新で等級が下がったら、もらった分を返さないといけない」

本当は返しません。変わるのはその後の支払い分で、それまで正しく受け取っていた年金をさかのぼって返すことはありません(不正の場合は別)。

手続き

「初診日が何十年も前だから、時効で申請できない」

本当は申請そのものに時効はありません。初診日が30年前でも、要件を満たせば請求できます。時効があるのは「さかのぼって受け取れる分」で、直近5年分までです。

手続き

「症状を重く見せないと、通らない」

本当は重く見せる必要はなく、そうすべきでもありません。必要なのは、普段の状態が「漏れなく・事実のまま」診断書と申立書に載ることです。

制度の入口

「入院していないと、障害年金は通らない」

本当は入院は要件ではありません。通院だけでも、在宅で過ごしていても、日常生活や労働にどれだけ支障があるかで判断されます。

制度の入口

「若いから、障害年金は無理」

本当は年齢が若いことを理由に対象外になる要件はありません。20代でも30代でも、初診日・納付要件・障害の状態の3つを満たせば請求できます。

気持ち

「精神疾患で障害年金を申請するのは、甘えではないか」

本当は甘えではありません。障害年金は、保険料を納めてきた人(または20歳前に障害を負った人)のための、制度上の正当な権利です。

手続き

「転院したばかりだから、診断書を書いてもらえない」

本当は現在の障害状態の診断書は、いま診てもらっている医師が書きます。転院して日が浅くても、診療にもとづいて書ける範囲で作成できます。

制度の入口

「昔、保険料を払っていなかったから、一生もらえない」

本当は納付要件は「その傷病の初診日の前日」時点で判定されます。過去に未納があっても、その後納めていれば、将来の別の傷病では要件を満たせます。

受給後

「結婚したら、障害年金は打ち切られる」

本当は結婚は支給停止の理由ではなく、受給は原則そのまま続きます。

制度の入口

「65歳を過ぎたら、障害年金は関係ない」

本当は65歳以降でも、厚生年金に加入して働いている間に初診日があれば、障害認定日による請求ができます。受給に年齢の上限もありません。

お金

「障害基礎年金か障害厚生年金か、どちらか一方しかもらえない」

本当は2級以上なら、障害基礎年金と障害厚生年金の二階建てで両方受け取れます。

気持ち

「2級と認定された=自分は2級の人間だと決められた」

本当は等級は、制度が支給額を決めるための区分です。人としての重さや価値の評価ではありません。

制度の入口

「産後うつや更年期は、原因がはっきりしているから対象外」

本当は発症のきっかけが何であるかは、対象・対象外を分けません。認定は現在の病態と生活の制限で判断されます。

制度の入口

「専業主婦(主夫)や無職だから、障害年金は関係ない」

本当は障害基礎年金は「働いていた人の制度」ではありません。国民年金の被保険者であれば、専業主婦(主夫)や無職の期間に初診日があっても、納付要件を満たしていれば請求できます。

気持ち

「障害年金を受けると、会社や周りに知られる」

本当は請求は本人(または家族)が年金事務所や市区町村に出す手続きで、勤務先を経由しません。受給が始まっても、年金機構から会社へ通知されることはありません。

制度の入口

「検査を受けてからでないと、申請できない」

本当は心理検査や知能検査を受けていないことは、申請の妨げになりません。精神の障害の評価の中心は、検査の数値ではなく日常生活能力の状態です。

手続き

「年金機構公認の代行サービスがある」

本当はそのような制度はありません。報酬を得て障害年金の書類作成・提出を代行できるのは、法律上、社会保険労務士だけです。

手続き

「障害年金の手続きには、お金がかかる」

本当は請求・審査・更新に、国へ払う手数料はありません。かかるのは、診断書などの文書料と、交通費・郵送費くらいです。

手続き

「薬をもらっていない受診は、初診日にならない」

本当は初診日の定義は「診療を受けた日」で、薬が処方されたかどうかは条件ではありません。「様子を見ましょう」で終わった受診も、検査だけの受診も、その症状についての診療なら初診日になりえます。

手続き

「健康診断で引っかかった日が、初診日」

本当は健診で数値の異常を指摘されただけの日は、原則として初診日になりません。初診日は、そのあと治療のために医師の診療を受けた日です。

手続き

「カウンセリングに通っていた日が、初診日になる」

本当は初診日は「医師または歯科医師の診療」を受けた日です。医師のいないカウンセリングルームや、学校のカウンセラーへの相談は、それだけでは初診日になりません。

制度の入口

「病名が複数あると、分散して不利になる」

本当は複数の精神疾患がある場合、どちらか一方だけで判断されるのではなく、諸症状を併せた全体像で総合的に認定されます。

受給後

「臓器移植を受けたら、障害年金は打ち切られる」

本当は腎移植・肝移植・造血幹細胞移植のいずれも、移植後1年間は従前の等級が維持されます。その後、術後の経過・検査成績・予後を踏まえて認定し直されます。

受給後

「障害年金の更新は、毎年ある」

本当は有期認定の場合、障害状態確認届(更新の診断書)の提出は毎年ではなく、障害の状態に応じて定められた数年ごとです。

お金

「借金があると、障害年金は差し押さえられる」

本当は障害年金の受給権は、法律で譲渡・担保・差押えが禁止されています。借金や滞納があっても、年金を受ける権利そのものは守られます。

お金

「生活保護を受けていると、障害年金をもらっても損」

本当は年金を受けると保護費はその分減りますが、障害基礎年金1・2級の等級は障害者加算の判定に使われます。加算がつけば、手取りの合計が増える場合があります。

受給後

「障害年金をもらいながら厚生年金の保険料を払うのは、二重で無駄」

本当は無駄ではありません。払った保険料は、将来の老齢厚生年金として積み上がります。

手続き

「初診日の日付が思い出せないから、申請できない」

本当は1日単位で特定できなくても、資料によって「一定の期間内に初診日がある」と確認でき、その期間を通じて同じ年金制度に加入していたなどの条件を満たせば、請求が認められる取り扱いがあります。

手続き

「第三者証明は、親やきょうだいに書いてもらえばいい」

本当は第三者証明は、三親等内の親族(親・きょうだい・おじおばなど)には頼めません。当時の状況を知る友人・隣人・学校の先生・職場の同僚・民生委員などに依頼します。

気持ち

「証明書が取れない=嘘だと疑われる」

本当はカルテが残っていないケースは制度側も想定済みで、そのために公式の様式(受診状況等証明書が添付できない申立書)と、第三者証明・参考資料の仕組みが用意されています。

手続き

「さかのぼる請求と、いまの請求は、どちらか一方しか選べない」

本当は障害認定日にさかのぼる請求をするとき、「認定日時点では等級に該当しない」と判断された場合に備えて、いまの状態での請求(事後重症)を併せて行う出し方が実務上あります。

お金

「子の加算は、子どもが成人するまでずっとつく」

本当は障害基礎年金の子の加算の対象は、18歳になった後最初の3月31日まで(高校卒業の年度末まで)の子、または20歳未満で障害等級1・2級の子です。

お金

「配偶者がいるのに、加算がついていないのはおかしい」

本当は配偶者の加算(加給年金)がつくのは障害厚生年金の1・2級だけです。障害基礎年金に配偶者の加算はありません(基礎にあるのは子の加算です)。

お金

「年金生活者支援給付金は、あとから請求すればいい」

本当は所得が一定以下の場合に年金へ上乗せされる給付金で、障害年金を新しく請求するときに**同時に請求するのが原則**です。

受給後

「精神の手帳を取るのに、また診断書が要る」

本当は障害年金(精神)を受けている場合、年金証書等の写しを使って、診断書なしで精神障害者保健福祉手帳を申請できます。等級は年金の等級に対応して認定される取り扱いです。

お金

「使えるのは障害年金だけ」

本当は障害年金とは別に、法律にもとづく手当があります。常時特別な介護が必要な20歳以上の方への特別障害者手当、20歳未満の重度障害児への障害児福祉手当、障害のある子を育てる父母への特別児童扶養手当などです(いずれも所得制限あり、窓口は市区町村)。

制度の入口

「制度に入っていなかった時代だから、もう何もない」

本当は平成3年3月以前の学生や、昭和61年3月以前の被用者の配偶者など、当時任意加入だったために障害基礎年金を受けられない方には、特別障害給付金という別の制度があります。

お金

「老齢年金を繰り上げても、障害年金には影響しない」

本当は老齢年金の繰上げ請求をすると、その日以後は事後重症などによる障害基礎年金・障害厚生年金を請求できなくなると、日本年金機構が明示しています。

制度の入口

「一人暮らしでも、支援を受けていなければ評価されない」

本当は等級判定ガイドラインは、独居の場合はその理由や時期を考慮するとしたうえで、現に支援を受けていなくても、その必要がある状態の場合を含めて判断するとしています。

障害年金のよくある誤解|障害年金申請サポート