よくある誤解

「2級と認定された=自分は2級の人間だと決められた」

2級と認定された=自分は2級の人間だと決められた? — 等級は支給額を決める区分で、人の評価ではありません

・ 確認日

結論

等級は、制度が支給額を決めるための区分です。人としての重さや価値の評価ではありません。年金証書に書かれているのは金額と次回の更新時期で、あなたの評価ではありません。

状態が変われば、等級も変わります。重くなれば額改定請求、軽くなれば更新で見直されます。固定されたものではありません。

受給が決まった日に、「病気だと国に確定された」と感じて落ち込む人がいます。この感覚を持つ人は少なくありません。

なぜ「決められた」と感じるのか

申請の間、自分の「できないこと」を書き続けるからです。診断書も申立書も、支障の程度を伝える書類です。それが認められた瞬間、「できないことが公式になった」と感じます。

もう1つは、「級」という言葉の重さです。1級・2級・3級という数字が、人の順位のように聞こえます。実際には、日常生活や労働にどれだけ支障があるかを、共通の物差しで区分しただけのものです。

制度ではこうなっている

等級は支給額の区分

国民年金法と厚生年金保険法は、障害の程度を1級から3級(基礎年金は2級まで)に区分し、それぞれの額を定めています。等級は、この額を決めるためにあります。人の価値を測る仕組みではなく、給付の計算のための区分です。

等級は動く

有期認定の人は、数年ごとの更新で状態が見直されます。重くなっていれば上がり、軽くなっていれば下がります。更新を待たずに重くなった場合は、額改定請求で見直しを求められます。逆に、状態が良くなって支給停止になっても、再び重くなれば支給停止事由消滅届で再開を求められます。

等級は「決められて終わり」ではなく、状態に応じて何度でも動くものです。

等級と、その人の生き方は別

等級は、働いてはいけない、外出してはいけない、という制限ではありません。2級の人が働くこともできますし、就労支援に通うこともできます。ガイドラインは、働いている事実だけで等級を下げない、と書いています。等級は、その人が受け取る額を決めるだけで、その人がどう生きるかを決めていません。

数字で見ると

令和6年度に決まった等級は、1級10.9%・2級53.9%・3級22.1%でした。半分以上が2級です。2級は「特別に重い」区分ではなく、いちばん多い区分です。

再認定304,456件のうち、96.7%は等級が継続しました。残りの3.2%は、上がるか下がるかしています。動かない人が大半ですが、動く仕組みは生きています。

同じ状況の人が、どうなったか

社会保険審査会の裁決から、この誤解に関わる実例です。原文は厚生労働省の公開資料で確認しています。

自閉症・2級から1級への額改定(令和4〜5年、原文(厚労省PDF)) — 2級を受給中に1級への額改定を請求した事案で、日常生活能力7項目がすべて最も重い判定で、家族の常時の援助や作業所の配慮が必要な状態を1級該当とし、2級のままとした処分が取り消されました。等級は、状態が変われば上がります。

統合失調感情障害・1級から2級への減額(平成28〜29年、原文(厚労省PDF)) — 社会資源に依存し就労困難ではあるものの、自ら家事を行える日もあるなど、日常生活が全面的に不能な1級の状態ではないとして、2級への減額改定が維持されました。等級は、状態が変われば下がります。どちらの向きにも動く、ということです。

→ ほかの実例も読む

自分の場合を確かめる

  • 等級は支給額の区分です。年金証書に書かれているのは金額と次回の更新時期で、あなたの評価ではありません。
  • 状態が重くなったら額改定請求、軽くなったら更新で見直されます。固定されたものではありません。
  • 落ち込みが続くときは、その気持ちも主治医に伝えてください。受給が決まったあとの気分の変化は珍しくありません。

窓口で聞く一言

主治医に「年金が決まって、かえって気持ちが沈んでいます」と、そのまま伝えてください。

よくある質問

Q. 2級と言われたら、もう働けないということですか。

A. 違います。等級は働くことを禁じていません。働き方によっては更新で状態が見られますが、配慮を受けて働いている実態は、そのまま評価されます。

Q. 3級でした。軽いと言われた気がします。

A. 3級は「労働に著しい制限を受ける」程度で、軽いという評価ではありません。障害厚生年金だけの等級なので、初診日が厚生年金の期間にある人にしか出ない区分でもあります。状態が重くなれば、額改定請求で2級への見直しを求められます。

Q. 等級を家族や職場に言う必要はありますか。

A. ありません。年金の等級は、あなたと年金機構の間の情報です。会社に通知されることも、戸籍や住民票に載ることもありません。

次に読む

更新や額改定で困ったとき額改定請求精神疾患で障害年金を申請するのは甘え?

出典

  • 国民年金法第30条・厚生年金保険法第47条(障害等級)、国民年金法第34条・厚生年金保険法第52条(額改定請求)・確認日 2026-09-03
  • 日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」・厚生労働省「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査」(等級分布、再認定の継続)・確認日 2026-09-02
  • 厚生労働省・日本年金機構「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」・確認日 2026-09-03
よくある誤解の一覧へ戻る