結論
カウンセリングに通っていた日は、それだけでは初診日になりません。初診日は「医師または歯科医師の診療」を受けた日で、医師のいないカウンセリングルームや、学校のカウンセラー、職場の相談窓口は、診療ではないからです。
逆に、カウンセラーに勧められて受診した内科や心療内科は、初診日になりえます。
長くカウンセリングだけで対処してきた人が、初診日を古く見積もっていることがあります。医療機関の受診がいつだったかが起点になります。
なぜ「カウンセリングの日」と思われているのか
「専門家に相談を始めた日」が、治療の始まりに感じられるからです。カウンセリングは症状に向き合う場で、本人にとってはそこが起点です。
でも制度は、医師の診療を起点にしています。カウンセラーは医師ではないので、その相談は制度上の初診ではありません。
制度ではこうなっている
「医師または歯科医師」
障害認定基準の初診日の定義は、「初めて医師または歯科医師の診療を受けた日」です。臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士、看護師、学校のスクールカウンセラー、会社の産業カウンセラーは、医師ではありません。これらの人への相談は、初診日になりません。
医師のいる機関でのカウンセリング
心療内科やメンタルクリニックの中で、医師の診察を受けたうえで心理士のカウンセリングを受けている場合、医師の診察の日が初診日です。カウンセリングだけの機関か、医師のいる機関かで、扱いが変わります。
カウンセリングの記録は資料になる
カウンセリングの日が初診日にならなくても、その記録は「この時期に、この症状で困っていた」ことを示す資料です。初診日の前後の経過を裏づけるものとして、病歴・就労状況等申立書に書けます。捨てないでください。
初診日が動くと変わるもの
カウンセリングの日を初診日と思い込んで、実際の初診日(医療機関の受診日)がそれより後だった場合、加入制度と納付要件の判定日が変わります。学生時代にカウンセリングを受け、就職後に初めて受診したなら、初診日は就職後で、厚生年金の対象になることもあります。
数字で見ると
当サイトが整理した裁決事例91件のうち、争点が「初診日」だったものは35件です。初診日の定義に当てはまらない相談を初診日として申告すると、認定がやり直しになります。医療機関の受診日を、先に確かめてください。
自分の場合を確かめる
- 初診日になるのは、医師または歯科医師の診療です。カウンセラー・保健室・電話相談は、それだけでは初診日になりません。
- カウンセリングのあとに受診した内科や心療内科が初診日になることがあります。その受診日を確認してください。
- カウンセリングの記録は、症状の始まりを裏づける参考資料としては使えます。捨てないでください。
窓口で聞く一言
年金事務所で「カウンセリングを受けたあと〇年に受診しましたが、初診日はどこになりますか」と確認してください。
よくある質問
Q. 学校の保健室で、養護教諭に何度も相談していました。
A. 養護教諭は医師ではないので、その相談は初診日になりません。保健室から病院を紹介されて受診した日があれば、その日が初診日になりえます。
Q. カウンセリングルームの先生が「医師」だと思っていました。
A. 確認してください。医師免許を持つ精神科医が開いているカウンセリングルームなら、診療として記録が残っている可能性があります。心理士だけの機関なら、初診日にはなりません。
Q. カウンセリングの記録は、どう使えますか。
A. 病歴・就労状況等申立書の「発病から初診まで」の経過に書けます。「◯年からカウンセリングに通い、◯年に医師の受診を勧められて内科を受診した」という形で、初診日に至る経過を示す資料になります。
次に読む
初診日のカルテがないとき初診日は病名がついた日?初診日がわからないとき出典
- 厚生労働省「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」第1章 第1節(初診日の定義)・確認日 2026-09-03
- 当サイト 裁決事例集(91件、争点の内訳)・確認日 2026-09-02