結論
「年金機構公認の代行サービス」は存在しません。日本年金機構は、特定の事業者を公認したり、提携したりしていません。
報酬を得て障害年金の書類作成・提出を代行できるのは、法律上、社会保険労務士だけです。「機構公認」「特別なルート」「必ず通す」を名乗る勧誘は、制度上ありえません。
不支給になった直後、藁にもすがる気持ちで検索しているときが、いちばん狙われます。
なぜ「公認」があると思われているのか
「代行」という言葉が、行政の手続き代行(車庫証明など)と混ざるからです。行政書士や司法書士が手続きを代行する分野があるので、年金にも同じような公認の代行業があると想像されます。
もう1つは、広告の言葉です。「年金機構に精通」「元職員が在籍」「認定率◯%」といった表現が、公認や提携があるように読めます。実際には、機構が民間事業者を認定する制度はありません。
制度ではこうなっている
社会保険労務士法の業務制限
社会保険労務士法は、社労士でない者が、報酬を得て、労働社会保険諸法令にもとづく申請書等の作成や提出代行を業として行うことを禁じています。障害年金の請求書、申立書、その他の書類の作成・提出代行は、この対象です。違反には罰則があります。
つまり、「社労士ではないが報酬をもらって申立書を書く」「提出を代行する」は、法律違反です。それを業として行う事業者は、公認どころか違法です。
社労士の登録は公開されている
社会保険労務士は、都道府県の社会保険労務士会に登録され、名簿が公開されています。全国社会保険労務士会連合会のサイトで検索できます。依頼する前に、登録番号を聞いて名簿で確認すれば、社労士かどうかは分かります。
「必ず通す」は言えない
審査は日本年金機構が行い、結果は診断書と申立書の内容で決まります。誰が代行しても、結果を保証することはできません。「必ず通す」「100%」と言う相手は、審査の仕組みを知らないか、知っていて言っています。
無料相談と、報酬の話
社労士でない団体や個人が、無料で相談に乗ること自体は違法ではありません。違法になるのは、報酬を得て書類作成や提出代行を行うことです。無料相談の先で「書類作成は◯万円」と言われたら、その相手が社労士かを確認してください。
数字で見ると
令和6年度の新規裁定146,225件のうち、不支給は13.0%でした。この人たちが、次に何をするかを探すときに、勧誘の対象になります。
不支給のあとにできることは、審査請求(通知を受けた翌日から3か月以内)、状態が重くなってからの事後重症請求、資料を整えての再請求です。どれも、制度の中の手続きで、「特別なルート」ではありません。
自分の場合を確かめる
- 報酬を受けて書類作成・提出を代行できるのは社会保険労務士だけです。「公認」「認定」の制度はありません。
- 依頼する前に、都道府県の社会保険労務士会の名簿で登録を確認してください。名簿は公開されています。
- 「必ず通す」「特別なルート」「機構と提携」を名乗る相手には、依頼しないでください。制度上ありえません。
窓口で聞く一言
依頼先に「社会保険労務士の登録番号を教えてください」と聞いてください。答えられない相手には頼まないでください。
よくある質問
Q. 元年金事務所の職員だと言っています。信用できますか。
A. 経歴と、社労士の登録は別です。元職員でも、社労士登録がなければ報酬を得て書類を作ることはできません。登録番号を確認してください。
Q. 着手金が無料で、成功報酬だけです。安全ですか。
A. 報酬の形は安全性の証明になりません。確認すべきは、社労士登録の有無と、契約書に報酬の計算方法が明記されているかです。成功報酬の相場は、依頼先を選ぶ記事にまとめてあります。
Q. 不支給になりました。どこに相談すればいいですか。
A. まず年金事務所で、不支給の理由を聞いてください。通知に理由が書かれています。そのうえで、審査請求か再請求かを決めます。専門家に頼むなら、社労士登録を確認してから。不支給のあとにできることは、専用の記事にまとめてあります。
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自分で申請するか、依頼するか社労士の選び方不支給と言われたあと、何ができるか出典
- 社会保険労務士法第27条(業務の制限)・第32条の2(罰則)・確認日 2026-09-03
- 全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士を探す」(登録名簿の公開)・確認日 2026-09-03
- 厚生労働省「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査」(不支給割合)・確認日 2026-09-02