よくある誤解

「配偶者がいるのに、加算がついていないのはおかしい」

配偶者がいるのに加算がついていないのはおかしい? — 配偶者の加算は障害厚生年金1級・2級だけです

・ 確認日

結論

おかしくない場合があります。配偶者の加算(加給年金)がつくのは、障害厚生年金の1級・2級だけです。

障害基礎年金だけを受けている人には、配偶者の加算はありません。障害基礎年金にあるのは、子の加算です。障害厚生年金でも、3級には配偶者の加算はありません。

まず、自分が受けているのが障害基礎年金だけか、障害厚生年金もあるかを、年金証書で確認してください。

なぜ「ついて当然」と思われているのか

子の加算があるので、配偶者の加算もあるはずだ、と考えるからです。「扶養家族がいれば加算」という感覚は自然ですが、年金の加算は制度ごとに設計が違います。

もうひとつは、老齢厚生年金の加給年金の話です。夫の老齢年金に妻の加給年金がつく話はよく聞くので、障害年金でも同じだと思われています。老齢厚生年金の加給年金と同じ仕組みが、障害厚生年金にもありますが、1級・2級に限られます。

制度ではこうなっている

加算の設計は制度で違う

障害基礎年金(国民年金)には、子の加算があります。配偶者の加算はありません。

障害厚生年金(厚生年金)の1級・2級には、配偶者の加給年金があります。子の加算は、同時に受ける障害基礎年金の側につきます。障害厚生年金3級には、配偶者の加給年金も子の加算もありません。

対象になる配偶者

受給者が生計を維持している、65歳未満の配偶者です。「生計を維持している」とは、同居か仕送りなどの関係があり、配偶者の年収が850万円未満であることです。事実婚も対象になります。

配偶者が65歳になると、加給年金は終わります。配偶者が自分の老齢厚生年金(加入20年以上)や障害年金を受けている間は、加給年金は止まります。

額(令和8年度)

配偶者の加給年金は、年243,800円です。障害基礎年金の子の加算(1人目・2人目)と同じ額です。

あとから結婚した場合

障害厚生年金1級・2級を受け始めたあとに結婚した場合も、届出をすれば翌月分から加給年金がつきます(平成23年4月から)。年金事務所に「加算額・加給年金額対象者の届」を出してください。届出をしないと、つきません。

3級から2級に上がった場合

額改定で3級から2級になると、そのときから配偶者の加給年金の対象になります。改定の請求のときに、配偶者の情報を出してください。

数字で見ると

令和6年度に新しく決まった障害年金146,225件のうち、2級は53.9%、3級は22.1%、1級は10.9%です。3級の人には、配偶者の加算はありません。

障害厚生年金2級で配偶者がいる場合、障害基礎年金847,300円と障害厚生年金(報酬比例)に、加給年金243,800円が加わります(令和8年度)。加給年金は報酬比例の額に関係なく定額です。

自分の場合を確かめる

  • 年金証書で、受けているのが障害基礎年金だけか、障害厚生年金もあるかを確認してください。
  • 配偶者の加給年金がつくのは障害厚生年金の1級・2級だけです。3級と障害基礎年金にはありません。
  • 加給年金の対象は、生計を維持している65歳未満の配偶者です。配偶者が65歳になると外れます。

窓口で聞く一言

年金事務所に「私の年金は基礎ですか厚生ですか。配偶者の加算の対象になりますか」と聞いてください。

よくある質問

Q. 障害厚生年金2級ですが、加算がついていません。

A. 請求のときに配偶者の情報(戸籍・住民票・所得の証明)を出していないと、加算はつきません。年金事務所で「配偶者の加給年金の届出が済んでいるか」を確認してください。届出をすれば、翌月分からつきます。

Q. 妻がパートで働いています。対象になりますか。

A. 配偶者の年収が850万円未満で、生計を同じくしていれば対象です。パートの収入で外れることは、まずありません。

Q. 夫婦とも障害年金を受けています。

A. 配偶者が自分の障害年金を受けている間は、加給年金は支給停止になります。配偶者の年金が止まれば、加給年金が再開します。届出で状況を伝えてください。

次に読む

障害基礎年金と障害厚生年金の違いいくらもらえる?子の加算はずっとつく?

出典

  • 厚生年金保険法第50条の2(加給年金額)・確認日 2026-09-03
  • 日本年金機構「障害厚生年金の加給年金額」「加算額・加給年金額対象者の届」・確認日 2026-09-03
  • 厚生労働省「令和8年度の年金額」・確認日 2026-09-02
  • 日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」・厚生労働省「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査」(新規裁定146,225件・等級別割合)・確認日 2026-09-02
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