結論
結婚しても、障害年金は打ち切られません。結婚は支給停止の事由に含まれておらず、受給は原則そのまま続きます。
変わりうるのは、年金そのものではなく周辺です。配偶者の健康保険の扶養に入るなら、年金も収入として数えられます。障害厚生年金の1級・2級を受けている人なら、配偶者の加給年金がつく場合があります。
「打ち切られるくらいなら」と、人生の選択のほうを狭めてしまう人がいます。その必要はありません。
なぜ「打ち切り」と思われているのか
遺族年金や児童扶養手当には、再婚や婚姻で支給が終わる仕組みがあるからです。同じ「年金」「手当」の名前で、別の制度の決まりが混ざって伝わっています。
もう1つは、「配偶者に収入があれば、扶養されるから年金は要らないと見られる」という推測です。障害年金には世帯の収入による制限がなく、20歳前傷病の所得制限も本人の所得だけを見ます。
制度ではこうなっている
支給停止の事由に婚姻はない
障害年金の支給が止まるのは、障害の状態が軽くなった、20歳前傷病で本人の所得が基準を超えた、労災など他の給付との調整がある、といった場合です。婚姻は、停止の事由に含まれていません。届出をしても、年金は止まりません。
健康保険の扶養
配偶者が会社員などで、その健康保険の扶養に入る場合、扶養の認定で障害年金は収入として数えられます。基準は、障害年金を受けられる程度の障害がある人で年収180万円未満です。障害基礎年金2級(年847,300円)の人なら、給与を合わせて180万円未満なら扶養に入れます。
税の扶養(配偶者控除)では、障害年金は非課税所得なので数えません。税と健康保険で結論が違うことがあります。
障害厚生年金の配偶者加給年金
障害厚生年金の1級・2級を受けている人に、生計を維持している65歳未満の配偶者がいるとき、配偶者加給年金額(年243,800円、令和8年度)が加算されます。結婚によって、この加算が新しくつくことがあります。届出が必要です。
障害基礎年金には配偶者の加算はありません。3級にもありません。
配偶者が年金を受けている場合
配偶者自身が、厚生年金の加入期間20年以上の老齢厚生年金や、障害年金を受けられるようになると、配偶者加給年金は支給停止になります。この場合も届出が必要で、出さないと過払いの返還になります。
数字で見ると
障害厚生年金1級・2級の配偶者加給年金は年243,800円です(令和8年度)。結婚によって年金が減ることはなく、この加算がつく人は増えます。
健康保険の扶養の基準180万円に対して、障害基礎年金2級は847,300円。給与に使えるのは約95万円です。ここを超えると扶養から外れ、国民健康保険への加入が必要になります。
自分の場合を確かめる
- 結婚は支給停止の事由に入っていません。婚姻の届出で年金が止まることはありません。
- 配偶者の健康保険の扶養に入るなら、障害年金も収入に数えます。基準は年収180万円未満です。
- 障害厚生年金の1級・2級なら、配偶者の加給年金がつく場合があります。届出が必要です。
窓口で聞く一言
年金事務所に「結婚しました。届出が必要なものと、加算の対象になるかを教えてください」と聞いてください。
よくある質問
Q. 配偶者に高い収入があります。それでも影響しませんか。
A. 障害年金には世帯の収入による制限がありません。配偶者の収入がいくらでも、年金の額は変わりません。影響するのは健康保険の扶養の側で、これは配偶者の収入ではなく、あなたの年金と給与の合計で判定します。
Q. 離婚したら、年金はどうなりますか。
A. 年金そのものは変わりません。配偶者加給年金がついていた人は、離婚で加算が外れるので届出が必要です。健康保険の扶養に入っていた人は、国民健康保険への切替えが必要です。
Q. 更新のときに「結婚して生活が安定した」と見られませんか。
A. 更新で見られるのは障害の状態です。婚姻の有無は、日常生活能力の評価の対象ではありません。ただし、配偶者の援助で生活できている実態があるなら、それは「援助を受けている状態」として診断書に書かれるべきもので、不利ではなく事実です。
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障害年金はいくら受け取れるか障害年金は非課税だから収入ゼロ扱い?配偶者がいるのに加算がついていないのはおかしい?出典
- 国民年金法・厚生年金保険法(障害給付の支給停止事由)、厚生年金保険法第50条の2(配偶者加給年金額)・確認日 2026-09-03
- 厚生労働省 被扶養者認定の収入基準に関する通知(180万円)・確認日 2026-08-31
- 日本年金機構「配偶者加給年金額」令和8年度・確認日 2026-08-31