結論
何もない、ではありません。当時は国民年金への加入が任意だったために入っておらず、その間に初診日があって障害基礎年金を受けられない人のために、特別障害給付金という制度があります。
対象は、平成3年3月以前に学生だった期間、または昭和61年3月以前に会社員・公務員の配偶者だった期間に初診日がある人です。
請求窓口は市区町村で、65歳になる前日までに請求が必要です。
なぜ「もう何もない」と思われているのか
「年金に入っていなかった」という事実が重いからです。保険料を払っていない期間に初診日があれば、障害基礎年金は受けられません。それを知った時点で、他の道を探すのをやめてしまいます。
もうひとつは、時間です。平成3年以前の学生時代に発症した人は、今は50代、60代です。何十年も経ってから、この給付金の存在を知る人がいます。
制度ではこうなっている
なぜこの給付金があるのか
国民年金は、昭和36年に始まったときから、学生と、会社員の配偶者は、任意加入でした。会社員の配偶者は昭和61年4月に、学生は平成3年4月に、強制加入になりました。それより前に、任意加入していなかった期間に初診日がある人は、制度上、障害基礎年金を受けられません。
このことが訴訟(学生無年金障害者訴訟)になり、平成17年4月に、特別障害給付金の制度が作られました。制度の切り替えで不利になった人のための、福祉的な給付です。
対象になる人
ひとつは、平成3年3月31日以前に、国民年金の任意加入の対象だった学生で、加入していなかった期間に初診日がある人。もうひとつは、昭和61年3月31日以前に、会社員や公務員の配偶者として任意加入の対象だったが加入していなかった期間に初診日がある人です。
いずれも、現在、障害基礎年金1級・2級に相当する障害の状態にあることが必要です。65歳になる前日までに請求します。
額
障害基礎年金1級相当の人と、2級相当の人で額が違い、年度ごとに改定されます。令和8年度は、1級相当で月58,650円、2級相当で月46,920円です。障害基礎年金より低い額です。
所得制限
本人の前年の所得が一定額を超えると、全額または半額が支給停止になります。障害基礎年金の20歳前の所得制限と同じ仕組みです。
保険料の免除
特別障害給付金を受けている人は、申請により国民年金の保険料が全額免除になります。
老齢年金や他の年金を受けているとき
老齢年金や遺族年金などを受けられるときは、その額の分だけ給付金が調整されます。
数字で見ると
障害基礎年金2級は年847,300円です(令和8年度)。特別障害給付金2級相当は、令和8年度で年563,040円(月46,920円×12)です。年金より低いですが、ゼロではありません。
65歳になる前日までに請求しないと、それ以降は請求できません。60代の人は、期限を確認してください。
自分の場合を確かめる
- 平成3年3月以前に学生だった期間、または昭和61年3月以前に会社員・公務員の配偶者だった期間に初診日があるかを確認してください。
- 特別障害給付金の請求窓口は市区町村です。65歳になる前日までに請求が必要です。
- 給付金にも所得制限と、障害の状態の要件(1級・2級相当)があります。
窓口で聞く一言
市区町村の年金窓口で「特別障害給付金の対象になるか確認したい」と伝えてください。
よくある質問
Q. 学生時代の初診日を証明する資料がありません。
A. 障害年金の初診日と同じで、第三者証明や参考資料(学校の記録、健康診断の記録、当時の手紙など)で確認する取り扱いがあります。当時の学校に在籍していたことの証明も必要です。市区町村と年金事務所で相談してください。
Q. 当時、20歳前でした。
A. 20歳前に初診日がある場合は、任意加入の問題ではなく、20歳前の障害基礎年金の対象です。特別障害給付金ではなく、障害基礎年金を請求してください。
Q. すでに65歳を過ぎています。
A. 特別障害給付金は、65歳になる前日までに請求する必要があり、それを過ぎると請求できません。他に使える制度がないか、市区町村の障害福祉の窓口で相談してください。
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保険料納付要件とは昔の未納があるから無理?申請の流れ出典
- 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律・確認日 2026-09-03
- 日本年金機構「特別障害給付金制度」(対象者、請求期限、令和8年度の給付額)・確認日 2026-09-13
- 厚生労働省「令和8年度の年金額」・確認日 2026-09-02