結論
無駄ではありません。障害年金を受けながら会社に勤めて厚生年金に入ることは、普通にできます。払った保険料は、将来の老齢厚生年金として積み上がります。
障害年金と老齢年金は、別の給付です。今もらっている年金があるから、将来の年金が増えない、ということはありません。
障害基礎年金1級・2級の人は、国民年金の保険料が法定免除になります。届出をすれば、払わなくてよくなります。
なぜ「二重で無駄」と思われているのか
「年金は一種類しかもらえない」という原則があるからです。65歳前は、障害年金と老齢年金を同時には受け取れません。そこから「今もらっているのだから、払っても意味がない」という考えになります。
もうひとつは、就職をためらう気持ちです。働くと年金が止まるのではないか、という不安と、保険料が引かれる実感が重なって、「無駄」という言葉になっています。
制度ではこうなっている
加入は義務であり、権利でもある
会社に勤めて要件を満たせば、厚生年金への加入は義務です。障害年金を受けていることは、加入しない理由になりません。そして加入した期間は、将来の老齢厚生年金の計算に入ります。
65歳からは組み合わせて受け取れる
65歳になると、障害基礎年金と老齢厚生年金を組み合わせて受け取ることができます(平成18年4月から)。障害基礎年金を受けながら厚生年金に加入していた人は、65歳以降、障害基礎年金に、自分が働いて積み上げた老齢厚生年金を上乗せする形を選べます。
払った保険料は、ここで戻ってきます。
障害基礎年金1級・2級なら国民年金は法定免除
障害基礎年金1級・2級を受けている人は、国民年金の保険料が法定免除になります(国民年金法第89条)。会社を辞めて国民年金に戻ったときも、この免除が使えます。「国民年金保険料免除理由該当届」を市区町村か年金事務所に出してください。
法定免除の期間は、老齢基礎年金の計算で2分の1として反映されます(平成21年4月以降の期間)。免除でも、将来の年金がゼロになるわけではありません。免除にせず納付を続けることも、平成26年4月から選べます。
3級には法定免除がない
障害厚生年金3級だけの人には、法定免除はありません。収入が少なければ、申請免除(全額・一部)を使えます。
障害年金は止まらない
厚生年金に加入すること自体で、障害年金が止まることはありません。就労の事実が更新の審査でどう見られるかは別の論点で、それは仕事の内容と生活の実態で判断されます。加入を避ける理由にはなりません。
数字で見ると
令和6年度の再認定304,456件のうち、96.7%は等級が継続しました。働いている人を含めた数字です。
障害基礎年金2級は年847,300円です(令和8年度)。ここに、働いて積み上げた老齢厚生年金が65歳から上乗せされます。額は加入期間と給与によります。年金事務所で「ねんきん定期便」や見込額の試算を頼めば、具体的な数字が出ます。
自分の場合を確かめる
- 障害年金を受けながら厚生年金に加入することは、普通にできます。保険料は将来の老齢厚生年金として積み上がります。
- 障害基礎年金1級・2級の人は、国民年金の保険料が法定免除になります。届出が必要です。
- 就労が更新の審査で見られるかどうかは別の論点です。加入自体を避ける理由にはなりません。
窓口で聞く一言
年金事務所に「障害年金を受けながら厚生年金に入ると、将来の老齢年金はどうなりますか」と聞いてください。
よくある質問
Q. 会社に、障害年金を受けていることを言わないといけませんか。
A. 厚生年金の加入手続きに、障害年金の受給を書く欄はありません。会社に伝える義務はありません。詳しくは「会社に知られる?」の記事を読んでください。
Q. 法定免除の届出を出し忘れていました。
A. 届出をすると、障害年金の受給権が発生した月の前月までさかのぼって免除になります。すでに払った分は、還付されることがあります。年金事務所で確認してください。
Q. 免除にするか、払い続けるか、どちらがいいですか。
A. 免除にすると、その期間の老齢基礎年金は2分の1で計算されます。払い続ければ満額です。今の生活に余裕がなければ免除、余裕があれば納付、という選び方になります。あとから追納もできます(10年以内)。
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働きながら会社に知られる?更新が不安・下がった出典
- 国民年金法第89条(法定免除)、第90条(申請免除)・確認日 2026-09-03
- 日本年金機構「障害基礎年金と老齢厚生年金の併給」「国民年金保険料の法定免除制度」・確認日 2026-09-03
- 日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」(再認定304,456件・継続96.7%)・確認日 2026-09-02