リード(直答)
障害年金は、他の給付と重なることがあります。そのとき「両方は満額もらえない」という調整が入ります。
ここで大事なのは、調整があることと、申請できないことは別だという点です。「傷病手当金をもらっているから申請できない」「労災が出ているから対象外」は、どちらも誤解です。両方の手続きを進めたうえで、決まったあとに金額が調整される、という順番です。
調整の一覧
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| 相手の制度 | 調整の内容 | 窓口 |
|---|---|---|
| 傷病手当金(健康保険) | 同じ傷病について両方を満額は受け取れない。障害厚生年金のほうが少ない場合は差額の傷病手当金を受け取れる(健康保険法第108条) | 加入先の健康保険+年金事務所 |
| 児童扶養手当 | 同じ子について、障害基礎年金の子の加算と両方を満額は受け取れない。調整の仕組みがある | 市区町村(児童扶養手当担当)+年金事務所 |
| 労災保険の障害補償給付 | 両方受けられるが、労災側が一定割合減額される | 労働基準監督署+年金事務所 |
| 遺族厚生年金 | 65歳までは障害年金とどちらかを選択。65歳以降は「障害基礎年金+遺族厚生年金」の組み合わせが可能 | 年金事務所 |
| 老齢年金 | 65歳以降は「障害基礎年金+老齢厚生年金」などの組み合わせが可能。年金受給選択申出書で選ぶ | 年金事務所 |
| 生活保護 | 収入として認定され保護費が減る。ただし等級が障害者加算の判定に使われる | 福祉事務所 |
| 第三者行為(交通事故など)の損害賠償 | 賠償を受けた場合、一定期間の支給が調整される仕組みが法律にある | 年金事務所 |
| 特別障害者手当 | 併せて受け取れる(調整なし。所得制限あり) | 市区町村 |
| 年金生活者支援給付金 | 上乗せされる(所得要件あり)。年金の請求と同時に請求するのが原則 | 年金事務所 |
同じ道を歩いた人が、つまずいたところ
「調整される=申請できない」と読む。 どの制度も、申請そのものを禁じてはいません。傷病手当金の受給中に障害年金を請求するのは、むしろ標準的な段取りです。
窓口が分かれていることを知らない。 年金は年金事務所、傷病手当金は健康保険、児童扶養手当と手当は市区町村、労災は労働基準監督署。調整の話は、両方の窓口で聞かないと全体像が出ません。片方だけで判断しないでください。
交通事故の賠償交渉を年金事務所に伝えない。 第三者行為が原因の障害でも障害年金は請求できますが、賠償を受けた場合の調整の仕組みがあります。交渉中・受領済みのときは、状況を伝えて扱いを確認してください。
遺族年金が丸ごと上乗せされると思っている。 65歳までは選択、65歳以降も組み合わせには決まりがあります。世帯の設計に関わるので、年金事務所で試算してもらってください。
よくある質問
Q. 傷病手当金と障害年金、どちらを先に申請しますか。** 順番の決まりはありません。傷病手当金は通算1年6か月で終わり、障害年金の認定日は初診日から1年6か月。手当金を受けている間に年金の準備を進めるのが、収入を切らさない段取りです。
Q. 調整で減った分は、あとで戻りますか。** 調整は制度上の仕組みなので、戻る性質のものではありません。ただし、どの組み合わせで受け取るかを選べる場面(65歳以降の年金の選択)では、試算して有利なほうを選べます。
次の一歩
いま受けている給付を紙に書き出してください。傷病手当金、児童扶養手当、労災、生活保護、手当。それを持って、年金事務所と、その給付の窓口の両方で聞く。それが全体像を知る唯一の方法です。 → いくらもらえる?
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出典
- 国民年金法(第25条 公課の禁止、第4条の3ほか、20歳前傷病の所得制限・停止事由、受給権の保護、第三者行為の調整) ・ 確認日 2026-08-31
- 厚生年金保険法(第41条、障害手当金、加給年金) ・ 確認日 2026-08-31
- 健康保険法第108条(傷病手当金との調整) ・ 確認日 2026-08-31
- 生活保護法第4条(補足性の原則)/厚生労働省 生活保護実施要領(障害者加算) ・ 確認日 2026-08-31
- 日本年金機構「年金受給選択申出書」「老齢年金の繰上げ請求」「委任状」「学生納付特例」「特別障害給付金」 ・ 確認日 2026-08-31
- 労働者災害補償保険法(併給調整) ・ 確認日 2026-08-31