数字で見る障害年金

障害年金は、年に約15万人が新しく申請し、そのうち87.0%が支給に至っています。更新で止まる人は100人に1人。精神の障害での申請が7割を占め、いちばん標準的なケースです。

このページは、国が公表している2つの資料(日本年金機構の業務統計と、厚生労働省の認定状況調査)から、申請する人が「自分の位置」を知るための数字だけを取り出したものです。不安を煽るためでも、安心させるためでもなく、実態を見るために。数字は毎年、公表後に更新します。

1. 大きな数字(令和6年度)

新規に決まった件数146,225件障害基礎年金+障害厚生年金
支給に至った割合87.0%非該当 13.0%18,982件
精神障害・知的障害の診断書99,386件新規裁定の約68%
更新(再認定)の件数304,456件抽出調査では継続 96.8%

2. どんな病気で申請しているか

精神障害703件70.3%
外部障害194件19.4%
内部障害131件13.1%

抽出調査では、複数の診断書を使う場合に診断書ごとに数えるため、種類別の合計は抽出件数と一致しません。

「精神疾患で申請していいのか」というためらいは、この数字と逆です。10人のうち7人が精神の診断書で申請しています。

令和6年度 新規裁定・診断書種類別件数
診断書種類決定支給非該当
精神障害・知的障害99,386件87,697件11,689件
3,035件2,837件198件
聴覚等3,083件2,859件224件
肢体24,692件21,425件3,267件
呼吸器疾患1,008件636件372件
循環器疾患4,891件3,990件901件
腎疾患・肝疾患・糖尿病7,912件6,953件959件
血液・造血器・その他6,753件4,451件2,302件

3. どれくらいの割合で支給になるか

  • 1級 109件10.9%
  • 2級 539件53.9%
  • 3級 221件22.1%
  • 非該当 130件13.0%

半数以上が2級です。3級は障害厚生年金だけの等級なので、初診日に会社員だった人の分だけ現れます。

精神障害85件12.1%
外部障害21件10.8%
内部障害27件20.6%

意外に思われるかもしれませんが、いちばん非該当が多いのは内部障害です。検査数値と一般状態区分の両方が問われる分野で、「日中どれだけ横になっているか」が伝わっていないと、数値だけで判断されやすい。

4. 更新で止まる人は、どれくらいいるか

  • 継続 9,681件96.8%
  • 増額改定 139件1.4%
  • 減額改定 75件0.8%
  • 支給停止 105件1.0%

100人が更新を迎えると、97人はそのまま続き、1人は上がり、1人は下がり、1人は止まる。「更新で切られる」不安は、数字で見ると1%の話です。ただし、その1%に入るかどうかは、更新の診断書に普段の状態が載っているかで決まります。

5. 不支給の中身

厚生労働省の調査は、精神障害の不支給事案を一件ずつ分析しています。その結果、ガイドラインの目安より下位の等級に認定されたケースと、目安が2つの等級にまたがるものについて下位の等級に認定されたケースが、あわせて75.3%を占めました。

つまり、精神の不支給の4件に3件は、「対象外の病気だった」のではなく、「目安の境目で下に振れた」ケースです。境目で何が見られているかは、診断書の日常生活能力の7項目と、就労欄、そして援助の実態です。

この調査を受けて、日本年金機構は令和6年度の不支給事案と、下位等級で支給された事案の点検を行っています。

不支給事案
14,841件を点検し、444件(約3.0%)が支給へ
支給事案
12,918件で、上位等級への変更は0件
取得日 2026-09-02

読み方には注意が要ります。3.0%は「不支給の3.0%が誤りだった」と読むこともできるし、「97.0%は点検しても変わらなかった」と読むこともできる。どちらにせよ、審査には公表された物差しがあり、それは誰でも読める。「どうせ運次第」ではない、という一点だけは、この数字が支えています。

6. 年ごとの動き

令和2年度118,831件非該当 8.0%
令和3年度130,285件非該当 7.8%
令和4年度129,285件非該当 7.7%
令和5年度142,209件非該当 8.4%
令和6年度146,225件非該当 13.0%

精神障害・知的障害の診断書による新規裁定は、令和4〜6年度の3年平均で95,173件、令和6年度は99,386件でした。増えています。

業務統計の「非該当」には、障害の程度以外の理由も含まれます。審査に必要な書類等の不備で障害等級を判定できない場合などは、非該当とは別に「却下」として集計されています。

7. この数字の使い方

数字は、あなたの結果を予言しません。87.0%に入るか13.0%に入るかは、統計ではなく、書類に何が載っているかで決まります。このページの数字は、「自分だけが特別に難しい状況なのではない」「精神で申請するのは普通のことだ」「更新は毎年でも、必ず切られるものでもない」を確かめるために使ってください。

出典