障害年金の診断書を医師が書いてくれない — 断られる理由は5つの型に分かれる。型別の対処と依頼文の完成形

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この記事の結論

「診断書を書かない」と言われても、終わりではありません。断られる理由は5つの型(対象でないと思っている/通院が短い/不慣れ・多忙/関係がこじれた/物理的に書けない)に分かれ、型ごとに打ち手が違います。まず理由を聞いてください。

型1の「働いていたら無理」「入院していないと無理」は医師側の誤解です。制度の文言は「就労の事実だけで判断しない」で、裁決にも就労支援で働いていた人が2級と認められた例があります。可否を決めるのは医師ではなく審査側です。

どの型も根っこは「医師の手元に書く材料がない」こと。生活の実態を7項目の順に書いたA4一枚を渡し、「事実のとおりに」とだけお願いします。「重く書いて」は絶対に言わない。

断られた直後に、口論・法律で迫る・転院を繰り返す・通院をやめる、はしないでください。材料を積んで出直すのが結局いちばん早い。

次に読む障害年金の診断書を主治医にどう頼む?

「障害年金の診断書をお願いしたら、主治医に断られた」。

申請準備の中でも、これほど心が折れる出来事はありません。障害年金は書類だけの審査で、精神の障害では診断書の中身がそのまま結果になります(令和6年度、精神で不支給になった人の75.3%は、診断書の目安では届いていたのに総合評価で落ちています)。その診断書がなければ、申請の入口にすら立てないからです。「先生に『あなたは対象じゃない』と言われた」「『働いてるでしょ』で終わった」という声は珍しくありません。

でも、ここで諦めるのは早いです。

大事なのは、医師が「書かない」と言った理由の中身を見極めることです。断られる理由は、おおむね5つの型に分かれます。型が分かれば、打ち手が変わります。

断られる理由の5つの型

型1:「あなたは対象ではない/まだ軽い」と考えている

いちばん多い型です。ただしここには、医師側の誤解が混ざっていることがあります。

よくある誤解を並べます。

  • 「働いていたら無理」 → 誤解です。配慮を受けながらの就労で受給している人はいますし、正社員で厚生年金を払いながらの受給も、障害の状態が続いている限り制度上正当です(→働きながら障害年金は受け取れる?)
  • 「入院していないと無理」 → 誤解です。外来通院のみでの受給は普通にあります
  • 「この病名では無理」 → 半分だけ本当です。確かに対象外の診断名はあります。たとえば、HSPは生まれ持った性質なので単独では対象外、ナルコレプシーなどの睡眠障害も単独では対象外。しかし、うつ病・双極性障害・統合失調症などの精神疾患を併発していれば、その傷病で対象になります。「対象外の病名がある」ことと「あなたが対象外」は別の話です
→ 「働いていたら、障害年金は無理」は誤解です→ 「入院していないと、障害年金は通らない」は誤解です

この型への対処は、等級や可否を医師と争うことではなく、判断の材料を増やすことです。医師が「軽い」と判断している材料は、診察室での数分のあなただけかもしれません。

家での生活が実際どうなっているか——7項目に沿った具体的なメモを渡した上で、「この状態を踏まえて、事実のとおりに書いていただけないでしょうか」とお願いします。診断名の誤解が疑われる場合は、「〇〇(併発している精神疾患)のほうで請求を考えています」と伝えると話が通ることがあります。

型2:通院期間が短く、判断材料がない

転院してすぐ、あるいは通い始めて数回でお願いすると、「まだあなたのことをよく知らないので書けない」と言われることがあります。これは誠実な断り方で、医師は診察で得た事実に基づいてしか診断書を書けないからです。

対処は2つ。(1) 数か月通って判断材料を提供し続ける。毎回の診察で生活の実態をメモで渡し続けると、カルテに記録が蓄積し、医師は「カルテに基づいて」書けるようになります。(2) 障害認定日の診断書が必要な場合は、当時の病院に依頼する。現在の主治医に、通っていなかった過去の時点の診断書は書けません。

(2)は遡及請求(さかのぼり請求)を考えている人に特に重要なので、手順を書いておきます。当時の病院に電話し、「障害年金の障害認定日請求のため、〇年〇月〜〇月頃の受診時の状態で診断書を書いてほしい」と伝えます。

カルテの保存期間(医師法で5年。実際はもっと長く残っていることも)がまず確認され、カルテが残っていれば当時の記録に基づいて作成してもらえます。廃院・カルテ破棄の場合は型5へ。当時の状態を補足する材料として、当時のお薬手帳・領収書・家族のメモが役に立ちます。

型3:障害年金の診断書に不慣れ・多忙

精神の障害用の診断書は記入項目が非常に多く、慣れていない医師には相当な負担です。「忙しくて書けない」「書いたことがない」という断り方は、この型です。内科など精神科以外で気分の不調を診てもらってきた場合にも起こります。

なお、精神科を標榜していない医師でも、当時その人を診察していたなら、診断書を書く資格がないわけではありません。裁決にも、精神科を標榜しない医師の診断書の適格性を当然に否定すべきではないとしたものがあります(この記事の後半)。

対処は、医師の作業コストを下げることです。専門家が依頼を受けたときも、「的確な診断書を入手する鍵は主治医への情報提供」と考え、時間をかけた聞き取りをもとに資料を作って医師に渡すことを業務の中心に据えています。プロが一番力を入れている工程が「医師に判断材料を渡すこと」なのです。

患者側からできるのは、その簡易版です。診断書の用紙と一緒に、生活の実態を7項目の並び順で整理した資料を渡す。医師は資料とカルテを突き合わせながら該当欄を埋めていけるので、負担が大きく減ります。あわせて「お時間のあるときで構いません」と余裕を持たせる(更新など期限がある場合は、期限を最初に伝える)のも効果的です。

型4:関係がこじれている

診断書の内容をめぐって言い合いになった、「もっと重く書いてほしい」と頼んで気まずくなった——という型です。

先にはっきり書きます。「重く書いてください」というお願いは、絶対にしてはいけません。医師に虚偽記載を求めることになり、信頼関係が壊れるだけでなく、医師が診断書作成そのものを拒む正当な理由になってしまいます。

さらに言えば、仮に実態より重い診断書で受給できたとしても、それは不正受給です。虚偽の申告や診断書での受給は、発覚すれば受給額+利息の返還請求、悪質なら刑事罰まであり得ます。リスクに見合いません。

お願いしていいのは、常に「事実を、事実のとおりに書いてほしい」までです。伝える内容も事実だけ。関係がこじれてしまった場合は、一度時間を置き、事実ベースの資料を渡すところからやり直すか、次に説明する家族ルートを使います。

型5:病院の方針・物理的に書けない

廃院した、担当医が退職した、カルテが破棄されている——物理的に書けない型です。この場合は診断書の前段階(初診日の証明)から組み立て直すことになります。

「初診日がわからない・証明できないときの調べ方」で解説した方法(受診状況等証明書・紹介状・第三者証明など)が使えます。医師の診療情報提供書(紹介状)から初診日が認定された裁決もあり、紹介状は思った以上に強い証拠です。何をそろえるかは何をそろえればいい?で自分の場合に合わせて出せます。

「働いていたら無理」への反証 — 制度の文言と裁決

型1の誤解の根深さについて、制度の側がどう書いているかを確認しておきます。

診断書の記載要領には「就労している事実だけで、障害年金の支給決定が判断されることはありません」とあります。等級判定ガイドラインも「労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認したうえで日常生活能力を判断すること」としています。

つまり見られるのは、就労の事実ではなく、仕事の内容が障害特性に合わせて限定されていないか、職場でどんな援助・配慮を受けているか、対人関係やコミュニケーションの実態はどうか、です。勤続年数や給与額だけで門前払いされる制度ではありません。

裁決を見ると、就労支援で働いていて2級と認められた例がある一方、職場の配慮を受けつつ管理職として週4日働いていた人が3級にも該当しないとされた例もあります(下の実例)。つまり、医師の「無理だと思うよ」は医学の判断ではなく、制度の予想です。制度の予想は、専門家でも読み違えることがあります。

医師に予想で断られたとき、患者側にできるのは「可否のご判断は審査に委ねますので、状態を事実のとおり書いていただけませんか」と切り分けることです。書くか書かないかは医師の判断でも、対象かどうかを決めるのは医師ではなく審査側です。いまの状態が国の目安表でどのあたりかは、私は何級くらい?で確かめられます。

同じ状況の人が、どうなったか

社会保険審査会の裁決から、「診断書を書いてもらえない」場面に関わる実例です。原文は厚生労働省の公開資料で確認しています。

下垂体機能低下症・器質性情緒障害・障害認定日請求(令和6年、原文(厚労省PDF)) — 障害認定日の精神障害を示す診断書がないことも根拠に不支給とした処分について、精神科を標榜しない医師でも当時診察していたなら診断書の適格性を当然に否定すべきではない、として原処分が取り消されました。「精神科じゃないから書けない」と言われたときの、制度側の答えです。

うつ病・障害認定日請求(平成28〜29年、原文(厚労省PDF)) — 家族の援助を要する日常生活能力と、就労支援での短時間作業も続かなかった経過を総合して、障害認定日に2級に該当するとし、3級とした原処分が取り消されました。「働いていたら無理」ではなく、「どんな援助の中で働けていたか」が見られた例です。

非定型うつ病・障害認定日請求(平成30〜令和元年、原文(厚労省PDF)) — 障害認定日には職場の配慮を受けつつ一般雇用で管理職として週4日勤務し、日常生活能力も比較的保たれていたため、3級にも該当しないとされました。就労の中身によっては届かない、という正直な例です。医師の予想が当たることもありますが、それを決めるのは審査側です。

→ ほかの実例も読む

口頭でお願いするときの台本

手紙を渡すほどではない、でも何と言えばいいか分からない——という人のために、診察での口頭版も置いておきます。

「先生、ご相談があります。障害年金の申請を考えていて、診断書をお願いしたいんです。生活の実態をまとめた紙を持ってきたので、これとカルテを見ていただいて、事実のとおりに書いていただくことはできますか。……もし難しいようでしたら、どのあたりが難しいか教えていただけると助かります」

断られたら、理由だけ聞いて、その日は引きます。「分かりました。では次回までに、判断の参考になりそうな生活の記録を持ってきます」——これが言えれば、型2・型3への布石になります。医師と戦わず、材料を積む。遠回りに見えて、これが一番の近道です。

医師・家族の前に、支援職を挟むルートもある

主治医に直接言い出すハードルが高い場合、間に人を挟む方法があります。

  • 精神保健福祉士(PSW)・ソーシャルワーカー — 通院先に相談室があれば、そこが最初の窓口になります。院内の職種なので、医師への橋渡しが最もスムーズです。「障害年金を考えているが、先生にどう切り出せばいいか」という相談から乗ってくれます
  • 訪問看護師・支援員 — 生活の実態を日常的に見ている第三者として、医師への情報提供に協力してもらえることがあります
  • 年金事務所 — 制度面の相談窓口。「診断書を書いてもらえない」という相談自体も受けており、必要書類や請求の組み立て(認定日請求か事後重症か)を整理してくれます

本人が伝えるのが難しい場合は、家族・社労士・精神保健福祉士などにサポートしてもらえます。1人で医師と向き合う必要はありません。

家族が代わりに動くという方法

本人が医師に言い出せない、断られてから診察に行くのがこわい——それ自体が症状の一部です。家族が代わりに動くことはできますが、年金事務所で本人の年金記録などを含む個別相談をする場合は、原則として本人が作成した委任状が必要です。

委任状がなくても制度一般の相談はできます。社労士への相談や医療機関への同席については、それぞれ事前に必要書類や対応可否を確認してください。

医師への働きかけも同じで、家族が診察に同席して生活の実態を補足する、家族から見たメモを添える(家族メモの完成形参照)、というルートは実務でも普通に使われます。本人の申告(「大丈夫です」)と実態のギャップを埋める証言として、家族の情報は医師にとっても価値があります。

依頼文の完成形 — アキさんが主治医に渡した手紙

口頭でのお願いが難しい人のために、完成形をひとつ。アキさん(32歳・うつ病で退職、実家で母と暮らす。この記事のための架空の例です)が、一度「まだ早いんじゃない?」と言われた主治医に、次の診察で渡した手紙です。

〇〇先生

いつも診察ありがとうございます。先日お話しした障害年金のことで、改めてお願いに参りました。

前回「まだ早いのでは」と言っていただいたあと、自分の生活を振り返って、別紙のとおり最近1か月の様子をまとめました。診察のときにはお伝えできていませんでしたが、食事や入浴、お金の管理は母の助けがないと回っておらず、母が仕事を減らして支えてくれている状態です。

先生に無理なお願いをするつもりはありません。別紙の内容とカルテをご覧いただいた上で、事実のとおりに診断書をご記載いただけないでしょうか。難しい場合は、どの点が難しいかを教えていただけると助かります。

お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

アキ(母が同席する予定です)

ポイントは3つです。(1)「事実のとおりに」とだけお願いする(重く書いてとは書かない)、(2) 判断材料(生活の実態の別紙)を添える、(3) 断られた場合も理由を聞ける形にしておく。理由が分かれば型が分かり、次の打ち手が決まります。「難しい場合はどの点が難しいか教えてほしい」の一文は、そのための保険です。

3つの質問で、自分の型を見極める

断られた直後は動揺していて、型の見極めどころではないかもしれません。次の診察までに、この3つを思い出して(あるいは家族に聞いてもらって)ください。

Q1. 医師は何と言って断りましたか?

「あなたは対象じゃない」「働いてるから無理」→ 型1(可否の予想で断っている)。「まだ通院が短いから」「様子を見てから」→ 型2(判断材料の不足)。「忙しくて」「うちではやってない」→ 型3(負担・不慣れ)。理由を言わない/気まずい空気 → 型4の可能性。

Q2. その医師は、あなたの家での生活をどこまで知っていますか?

7項目の実態(食事・入浴・金銭・服薬の失敗、家族の援助)を話したことがない・メモを渡したことがないなら、型が何であれ、まず情報提供からです。医師は知らないことを書けません。断られた理由の半分以上は、実はここに帰着します。

Q3. 必要なのは「今の診断書」ですか、「過去(認定日)の診断書」ですか?

今の主治医に断られたのが「障害認定日ごろの診断書」なら、そもそも依頼先が違う可能性があります(認定日ごろに通っていた病院に頼むのが原則)。請求の組み立て(認定日請求/事後重症請求)ごと、年金事務所で整理してもらうのが早道です。

「カルテに書いてあることしか書けない」を、味方にする

医師が診断書を書くとき、拠り所にするのはカルテです。診察で話していないこと、カルテにないことは、医師の記憶がどれだけ良くても診断書には載せられません。「カルテ主義」は、断られる原因にもなれば、突破口にもなります。

つまり、今日からの診察が、将来の診断書の下書きなのです。毎回の診察で生活の実態をメモで渡す→医師がカルテに挟む・転記する→数か月後、依頼したとき医師の手元には「書ける材料」が揃っている。

型2(材料不足)はこの積み重ねで確実に解消しますし、型1(軽いと思っている)の心証も、事実の蓄積の前では変わっていきます。逆に、診察のたびに「大丈夫です」と答えてきた人のカルテには「経過良好」が並び、どんなに誠実な医師でも重い診断書は書けません。

断られてから慌てて積むのではなく、申請を考え始めたその日から積む。診断書依頼は「お願いする日」ではなく「回収する日」にする——専門家の仕事の組み立ても、要するにこの一文に尽きます。

断られた直後にやってはいけないこと

感情が動いている時ほど、悪手を打ちやすいタイミングです。NG行動をまとめておきます。

  • その場で食い下がって口論する — 型4(関係悪化)を自分で作ることになります。いったん引いて、資料を整えて出直すほうが早い
  • 「応召義務違反ですよね」と法律で迫る — 正論をぶつけて関係を壊す典型です。後述のとおり正当な事由がある拒否もあります
  • 「書いてくれる病院」を探して短期間に転院を繰り返す — どの医師も経過を把握できなくなり、かえって書ける人がいなくなります
  • 診察をやめてしまう — 通院が途切れると、判断材料の蓄積が止まるうえ、申立書上も不利な空白ができます
  • 勢いで自己流の申請を強行する — 診断書で妥協した申請は危険です。不支給のあと同じ資料で出し直しても結果は変わりません(ガイドラインの記事参照)。急がば回れです

転院という選択肢 — ただし最後の手段

どうしても書いてもらえない場合、診断書を書いてくれる病院への転院は現実的な選択肢です。ただし注意点が2つあります。

  • 転院直後は書けない(型2に戻ります)。新しい医師が判断材料を得るまで数か月かかると見込んでください。紹介状と、これまでの生活の記録を初診から渡していくと、立ち上がりが早くなります
  • 「書いてくれる病院探し」を繰り返さない。転々とした通院歴は、申立書の上でも説明に苦労します

転院しても、初診日は変わりません。障害年金の初診日は「その傷病で初めて医師にかかった日」なので、転院で不利になることは基本的にありませんが、初診の病院の証明(受診状況等証明書)は別途必要になることを覚えておいてください。

判断材料を渡し続ける、が結局いちばん強い

5つの型を眺めると、共通の根っこが見えてきます。型1も型2も型3も、突き詰めれば「医師の手元に、書くための材料がない」ことが原因です。専門家が聞き取りと資料でやっていることを、患者側が日常的にやれば、この根っこは消えていきます。

何を材料として渡せばいいのか——7項目、就労の中身、家族の援助、服薬しても残る症状、症状の波、危険な出来事——の全体像と、伝える言葉の例は医師に伝えること全リストにまとめています。

その日あったことを短くメモすると、7項目に沿った提出用資料に整理されるアプリを作りました。毎回の診察で渡し続ければ、医師の手元とカルテに判断材料が蓄積し、「材料がないから書けない」という状況そのものがなくなっていきます。渡せない日があっても、記録は申立書の下書きとして残ります。ログイン不要・記録は端末内保存・基本機能は無料です。

よくある質問

Q. 医師が診断書を拒否するのは違法ではないのですか?

A. 医師法19条2項には、診察した患者から診断書の交付を求められたら正当な事由なく拒んではならない、という定めがあります。ただし「診察回数が少なく判断材料がない」「求められた内容が事実と異なる」などは正当な事由になり得ます。「違法ですよね」と迫るのは関係を壊すだけなので、理由を聞いて型に合わせて対処するほうが結果につながります。

Q. 家族だけで相談に行ってもいいですか?

A. 家族が相談することはできます。ただし年金事務所で本人の年金記録などを含む個別相談をする場合は、原則として本人が作成した委任状が必要です。委任状がなくても制度一般の相談はできます。社労士や医療機関には、家族だけで相談・同席できるか事前に確認してください。

Q. 診察が5分で終わってしまい、伝える時間がありません。

A. 口頭で伝えるのをやめて、紙で渡してください。診察の最初に「生活の様子をまとめてきたので、お時間のあるときに見てください」と渡せば、診察時間の外で読んでもらえます。

Q. 転院すればすぐ書いてもらえますか?

A. すぐには難しいのが実情です。新しい医師には判断材料がないため、通常は数か月の通院が必要です。紹介状に加えて、日々の生活の記録を初診から渡していくと、判断材料が早く蓄積します。なお転院しても初診日は変わりません。

Q. 書いてもらえたけれど、内容が実態より軽い気がします。書き直しは頼めますか?

A. 「事実と異なる記載」の訂正はお願いできます(例:「独居」とあるが実際は家族と同居、通院頻度の誤りなど)。評価そのものへの不満は、評価を変えろと迫るのではなく、評価の前提となる生活の実態を資料で補って再検討をお願いする形にします。確認の手順は「診断書を受け取ったら確認すべき7つのポイント」をご覧ください。

Q. カウンセラーや心理士に書いてもらうことはできますか?

A. できません。障害年金の診断書を作成できるのは医師です。精神の障害用は精神科医が作成することが望ましいとされていますが、傷病や診療状況によっては、精神・神経障害の診断または治療に従事している他科の主治医が作成できる場合があります。

まとめ

  • 「書いてくれない」には5つの型がある。まず理由を聞いて型を見極める
  • 医師にも誤解はある。「働いていたら無理」「入院していないと無理」は誤解、対象外の病名でも併発疾患で対象になる場合がある。可否を決めるのは審査側
  • お願いしていいのは常に「事実のとおりに」まで。「重く書いて」は絶対にNG(不正受給は返還+刑事罰のリスク)
  • 家族が代わりに動くことはできる。年金事務所で個別相談をする場合は原則として委任状を準備する
  • 医師が書けない最大の理由は「判断材料の不足」。生活の実態を紙で渡し続けることが最強の対処
  • 転院は選択肢だが最後の手段。転院直後は書けず、初診日は変わらない

出典

  • 医師法第19条第2項(診断書の交付義務)・確認日 2026-09-03
  • 日本年金機構「診断書(精神の障害用)の記載要領」(就労している事実だけで判断されない)・確認日 2026-09-03
  • 厚生労働省「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」(就労状況の考慮)・確認日 2026-09-03
  • 厚生労働省「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査」(精神の不支給85件のうち、目安では等級に届いていたのに非該当になった事案が64件=75.3%、令和5年度は44.7%、目安どおりの不支給は11件=12.9%)・確認日 2026-09-02
  • 当サイト 裁決事例集(91件)・確認日 2026-09-02

※本記事は一般的な情報提供であり、受給の可否を保証するものではありません。医師との調整が難しい場合は、年金事務所や社会保険労務士(→自分で申請?社労士に依頼?)への相談もご検討ください。

参考リンク

制度の正式な情報・最新の様式は、日本年金機構のホームページおよび 年金事務所でご確認ください。