自閉スペクトラム症 ── 障害認定日から3か月を超えた現症日の診断書では認定できないとした処分
障害認定日から3か月を超えた現症日の診断書では認定できないとした処分。新型コロナ感染への不安で通院できなかった事情等から該当診断書で判断できるとし、原処分を取り消した。
同じような状況なのに、結論が分かれた事例を91件集めています。体験談ではありません。国の再審査(社会保険審査会)の裁決から取ったもので、全件、裁決の原文(PDF)へのリンクつきです。通ったものだけを並べていません。通らなかったものも、同じ密度で載せています。通った話だけを見せられても、自分がどちらに近いかは分からないからです。
障害年金の結果に納得できないとき、2段階の不服申立てがあります。①審査請求(社会保険審査官へ。決定を知った日の翌日から3か月以内)、②再審査請求(社会保険審査会へ。審査請求の決定書の謄本が送られた日の翌日から2か月以内)。ここに集めているのは、その2段階目の裁決です。
争いになった事例だけが集まっている場所なので、ふつうの申請より論点がはっきりしています。だから「何が判断を分けたのか」が読み取れます。
見てほしいのは結論そのものではなく、その手前です。
認められなかった事例のほうが、学べることが多いこともあります。「職場の配慮を受けつつ一般雇用で週4日勤務し、日常生活能力も比較的保たれていた」——ここから、就労の中身がどう見られるかが分かります。
自分と同じ争点の3件だけ読めば十分です。全部読む必要はありません。
争点「認定日」の実例 ・ 26件(1/3ページ)
障害認定日から3か月を超えた現症日の診断書では認定できないとした処分。新型コロナ感染への不安で通院できなかった事情等から該当診断書で判断できるとし、原処分を取り消した。
20歳到達日による主位的請求と事後重症の予備的請求が争われた。主位的請求は棄却したが、裁定請求日の複数障害を併合認定し1級該当とし、予備的請求の原処分を取り消した。
障害認定日の精神障害を示す診断書がないことも根拠に不支給とした処分。精神科を標榜しない医師でも当時診察していたなら診断書の適格性を当然に否定できず、提出機会を与えなかった手続は不適正として原処分を取り消した。
裁定前でも支分権の消滅時効は支払期到来時から進行するとの最高裁判決を引用し、5年より前の分の不支給処分を適法とした。
橈骨頭の人工骨頭置換日を障害認定日とする主張が争われた。肘の上腕尺骨関節の骨頭置換に当たらず、当時症状固定とも認められないとして原処分を維持した。
失語症が年金3級にも障害手当金にも該当しないとした処分。音声言語と文字言語の障害を総合し、症状固定日に障害手当金相当と認めて原処分を取り消した。
軽度知的障害と統合失調症に相当因果関係があるとして初診日を出生日へ訂正させた処分。その判断に十分な根拠はなく、統合失調症の受診日を初診日として納付要件も満たすと認め、原処分を取り消した。
同じ障害認定日を基礎とする従前の不支給処分について再審査請求と取消訴訟が確定しており、同一内容の裁定請求によって確定判断を争い直すことはできないとして再審査請求を棄却した。
旧厚生年金保険法下の被保険者期間中に初診日があり、障害認定日の状態は日常生活に常時の援助を要する1級相当と認め、原処分を取り消した。
提出資料から初診日を認定したうえ、四肢麻痺により日常生活動作が全介助で意思疎通も困難な状態は障害認定日に1級に該当するとして原処分を取り消した。
診断書作成医は当時本人を診察しておらず、基礎となった診療録にも現症日の病状や日常生活能力を裏付ける記載がないため、障害認定日の状態を認定できないとして原処分を維持した。
障害認定日には職場の配慮を受けつつ一般雇用で管理職として週4日勤務し、日常生活能力も比較的保たれていたため3級にも該当しないとして、認定日請求の原処分を維持した。
出典: 社会保険審査会 裁決例(厚生労働省が公開)/日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」/社会保険審査官及び社会保険審査会法 ・ 確認日 2026-08-31