統合失調症 ── 軽度知的障害と統合失調症に相当因果関係があるとして初診日を出生日へ訂正させた処分
軽度知的障害と統合失調症に相当因果関係があるとして初診日を出生日へ訂正させた処分。その判断に十分な根拠はなく、統合失調症の受診日を初診日として納付要件も満たすと認め、原処分を取り消した。
同じような状況なのに、結論が分かれた事例を91件集めています。体験談ではありません。国の再審査(社会保険審査会)の裁決から取ったもので、全件、裁決の原文(PDF)へのリンクつきです。通ったものだけを並べていません。通らなかったものも、同じ密度で載せています。通った話だけを見せられても、自分がどちらに近いかは分からないからです。
障害年金の結果に納得できないとき、2段階の不服申立てがあります。①審査請求(社会保険審査官へ。決定を知った日の翌日から3か月以内)、②再審査請求(社会保険審査会へ。審査請求の決定書の謄本が送られた日の翌日から2か月以内)。ここに集めているのは、その2段階目の裁決です。
争いになった事例だけが集まっている場所なので、ふつうの申請より論点がはっきりしています。だから「何が判断を分けたのか」が読み取れます。
見てほしいのは結論そのものではなく、その手前です。
認められなかった事例のほうが、学べることが多いこともあります。「職場の配慮を受けつつ一般雇用で週4日勤務し、日常生活能力も比較的保たれていた」——ここから、就労の中身がどう見られるかが分かります。
自分と同じ争点の3件だけ読めば十分です。全部読む必要はありません。
争点「初診日」の実例 ・ 35件(2/3ページ)
軽度知的障害と統合失調症に相当因果関係があるとして初診日を出生日へ訂正させた処分。その判断に十分な根拠はなく、統合失調症の受診日を初診日として納付要件も満たすと認め、原処分を取り消した。
旧厚生年金保険法下の被保険者期間中に初診日があり、障害認定日の状態は日常生活に常時の援助を要する1級相当と認め、原処分を取り消した。
幼少期からの難聴は進行性で継続しており、勤務や通院中断の期間があっても医学的に治癒した状態とはいえないとして社会的治癒を否定し、厚生年金加入中を初診日とする主張を退けた。
復職して就労した期間にも症状と治療が継続しており、医学的にも社会的にも治癒した状態とは認められないとして、再受診日を新たな初診日とする主張を退けた。
糖尿病で初めて受診した日を初診日と認定し、被保険者要件と保険料納付要件を満たし、人工透析療法中で2級に該当するとして原処分を取り消した。
患者登録記録と第三者証明などから厚生年金加入中の初診日を認定し、納付要件を満たし、裁定請求日の障害状態も2級に該当するとして原処分を取り消した。
提出資料から初診日を認定したうえ、四肢麻痺により日常生活動作が全介助で意思疎通も困難な状態は障害認定日に1級に該当するとして原処分を取り消した。
古い診療録が残っていなくても、後医の診療録、入院中に届いた消印付き書簡、院内大会の賞状などから遅くとも特定日には精神科病院へ入院していたと認定し、原処分を取り消した。
先行する受診時点ですでに統合失調症が疑われていたことからその日を初診日と認定し、保険料納付要件も満たすとして原処分を取り消した。
不登校時の受診では統合失調症の症状や診断が認められず、その後に通常の社会生活を送っていたことから、当時の受診を初診日とする主張を退けた。
原処分後に別の初診日を裏付ける資料を提出したが、当初の裁定請求で初診日を変更したとは扱えず、新たな初診日による裁定請求を行うべきとして原処分を維持した。
申立てた初診日は資料で確認できず、別の初診日による厚生年金請求が考えられる旨は窓口で説明済みで、それ以上の教示義務違反もないとして原処分を維持した。
出典: 社会保険審査会 裁決例(厚生労働省が公開)/日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」/社会保険審査官及び社会保険審査会法 ・ 確認日 2026-08-31