森田療法はどこで受けられる? — 医療機関・慈恵医大・自助グループ・無料相談の4つの入口
この記事の結論
森田療法を受けられる場所は4種類あります。医療機関の外来(健康保険が使える)、発祥の地である東京慈恵会医科大学森田療法センター、自助グループの生活の発見会(全国約130か所、月1回)、公益財団の無料相談(電話・面談・月1回のオンライン)。
医療機関の探し方は2つ。公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団の医療機関リスト(入院可の専門施設2、外来35、カウンセリング7の計44)と、生活の発見会の協力医リスト(地域別、入院・外来のマーク付き)。どちらも「受診前に電話で診療日を確かめる」よう求めています。
入院森田療法は今はほとんど行われていません。慈恵医大も2020年に入院を終え、外来・ショートケア・グループ療法に転換しています。「入院しないと受けられない」は過去の話です。
症状が重い、死にたい気持ちがあるときは、森田療法の専門施設を探す前に、近くの精神科・心療内科か相談窓口へ。この記事は不安障害の当事者である運営者が一次資料をもとに書いています。医療監修はありません。
森田療法はどこで受けられるのか。答えは、医療機関の外来、慈恵医大の専門センター、自助グループ、公益財団の無料相談の4つです。「専門の病院に入院しないと受けられない」と思っている人が多いのですが、今は違います。順に説明します。
先に、急ぐ人へ
症状が重く生活が回らない、死にたい気持ちがある、という状態なら、森田療法の専門施設を探すより先に、近くの精神科・心療内科を受診してください。死にたい気持ちが強いときは、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間)、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)へ。
森田療法は、かかりつけの精神科で薬の治療を受けながら、並行して受けるものです。専門施設を探すのは、そのあとで構いません。
1. 医療機関の外来で受ける(健康保険が使える)
森田療法を行う医療機関は、全国にあります。探し方は2つです。
公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団の「森田療法医療機関」リストには、入院療法も可能な専門施設が2、外来療法の施設が35、森田療法カウンセリング施設が7(対面・オンライン、多言語対応を含む)の計44施設が、地域別に載っています。地域の内訳は、北海道4、東北2、東京・関東20、中部3、関西3、中国・四国1、九州2、全国対応のカウンセリング7です。関東に偏っているのが現状で、地方の人はカウンセリング施設のオンライン対応が選択肢になります。
生活の発見会の「全国の協力医リスト」は、神経症の診断・指導に対応する医師を11地域に分けて載せています。東京23区だけで約30名。医師名・病院名・住所・電話番号があり、入院療法を行う医師には病院のマーク、外来を行う医師にはカルテのマークが付いています。臨床心理士などの「協力相談室」も別に載っています。
どちらのリストも、「受診の際には必ず電話をして、診療日を確かめてから」と注意しています。森田療法を行う医師が週に1日しか外来にいない、ということがよくあります。
2. 東京慈恵会医科大学 森田療法センターで受ける
森田療法の発祥の地で、東京都狛江市にあります。受診は電話予約で、月〜土曜(祝日を除く)の14:00〜16:00に医療連携室(03-3480-1151)へ。かかりつけの医療機関がある場合は紹介状を持参するよう求められています。初診では森田療法が適用できるかを診察・相談で判断し、初診問診表を事前に記入しておくと診察が進みやすいとのことです。外来診察には健康保険が適用されます。
初診のあと、外来治療、カウンセリング併用、森田療法リカバリープログラム(ショートケア、週3回・月水金)、ツワブキの会(グループ療法)のどれが合うかを相談して決めます。入院療法は2020年に終了しています。
遠方の人が無理に通う場所ではありません。ただ、「本家で一度、適用できるか診てもらう」価値はあります。
3. 自助グループ(生活の発見会)で学ぶ
生活の発見会は、1970年に発足し、2005年にNPO法人になった自助グループです。森田療法の理論を学び、神経症を乗り越えた会員が中心になって、全国約130か所で毎月、集談会(交流会・学習会)を開いています。森田理論の学習と日記指導を取り入れた学習会、インターネットを使ったオンライン学習会もあります。
初めての人向けには「初心者懇談会」があります。入会したばかりの人も、まだ会員でなく話を聞いてみたいだけの人も対象で、予約は不要(オンライン参加は事前登録が必要な場合あり)、若干の参加費がかかります。全国版のリモート懇談会がZoomで開かれているので、近くに集談会がない人でも入れます。事務局は03-6661-3800です。
医療ではないので、診断や薬の判断はできません。その代わり、「同じ症状を乗り越えた人が目の前にいる」ことは、医療機関では得にくいものです。
4. 公益財団の無料相談を使う
公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団は、森田療法と神経症(不安症)に関する電話相談と面談を無料で行っています。担当は図書室相談員(公認心理師)。受付は平日の月〜金曜、9:30〜12:00と13:00〜16:45で、電話相談は予約不要、面談は電話予約(06-6809-1211)。月1回の無料オンラインカウンセリング(予約制)と、会員制の無料インターネット相談室(体験フォーラム)もあります。
「医療機関に行くほどか分からない」「どこを受診すればいいか相談したい」という段階なら、ここが最初の入口に向いています。
自分に合う場所の選び方
状況で決めると迷いません。
- 通院中で、薬の治療と並行して森田療法を受けたい → 1(医療機関リストで外来を探す)。かかりつけ医に相談してからでもよい
- 一度は本家で診てもらいたい、東京近郊に住んでいる → 2(慈恵医大森田療法センター)
- 医療より、同じ症状の人と学びたい。遠方に住んでいる → 3(生活の発見会の初心者懇談会、リモート可)
- まだ受診するか迷っている。相談だけしたい → 4(財団の無料電話相談)
どれか1つに決める必要はありません。外来に通いながら集談会に出る人は、普通にいます。
今日の小さな実践
上の4つから1つ選び、電話番号か申込ページを控えてください。かけるのは明日でも来週でも構いません。「かける先が決まっている」だけで、迷う時間が減ります。
よくある質問
Q. 森田療法は入院しないと受けられませんか?
A. 今は外来が中心です。慈恵医大森田療法センターも2020年に入院療法を終え、外来・ショートケア・グループ療法に転換しています。入院が可能な専門施設は、財団のリストでは全国に2施設です。
Q. 健康保険は使えますか?
A. 医療機関の外来診察には健康保険が適用されます(慈恵医大森田療法センターも同様)。自助グループの集談会やカウンセリング施設は保険の対象外で、それぞれの参加費・料金がかかります。
Q. 近くに森田療法の医療機関がありません。
A. 財団のリストには全国対応のカウンセリング施設(オンライン)が7件あり、生活の発見会にはZoomの全国版リモート初心者懇談会とオンライン学習会があります。財団の無料電話相談も全国から使えます。
Q. 今のかかりつけ医に、森田療法を受けたいと言ってもいいですか?
A. 構いません。森田療法は薬の治療と並行して受けるのが普通で、慈恵医大森田療法センターも紹介状の持参を求めています。かかりつけ医と相談してから専門施設を探すのが安全です。
Q. 集談会は会員でなくても参加できますか?
A. 初心者懇談会は、まだ会員でなく話を聞いてみたいだけの人も対象で、予約不要です(オンラインは事前登録が必要な場合あり)。若干の参加費がかかります。
まとめ
- 受けられる場所は4つ。医療機関の外来(保険適用)、慈恵医大森田療法センター、生活の発見会、財団の無料相談
- 医療機関は財団のリスト(44施設)と発見会の協力医リストで探す。受診前に必ず電話で診療日を確かめる
- 入院はほぼ行われていない。慈恵医大も2020年に外来・ショートケア・グループへ転換
- 遠方なら、オンラインのカウンセリング施設、リモート懇談会、無料電話相談が入口になる
- 症状が重い、死にたい気持ちがあるときは、専門施設を探す前に近くの精神科か相談窓口へ
※本記事は一般的な情報と当事者の経験をもとにした情報提供であり、診断・治療に代わるものではありません。各施設の情報は変わることがあるので、受診・参加の前に必ず確認してください。